HUNTER×HUNTER 29。

HUNTER×HUNTER(29) 著:冨樫義博

HUNTER×HUNTER 29 (ジャンプコミックス)

と言うわけで、買ったのは大分前だけど。
28巻の感想は書いて、29巻の感想は書いてなかったので。
まあ、買って読んだらすぐ感想書くのが一番良いんだけどね、うん。
ちなみに表紙はシンプルだけど、印象強い絵だと思う。

前半はやっぱユピーとプフの対比が面白いなー。
ユピーはプフの隠したい事、ってのを知らないってのが大きいというか。
ただ王に対して尽くせる、って事に喜びを感じてるんだけど…。
同じ立場のプフは、王に隠し事をしてるせいで素直に喜べない。
この辺が護衛軍、と言っても一枚岩じゃない所で面白いよね。
まあ…どっちが正しいのかといわれると微妙な所ではあるけど。
そもそも記憶がない状態の王は単純に目的も見失ってるわけで。
プフがやってる事は結局、その目的を誘導することで…。
それは王に対する背信である、って事を理解してるから。
後ろめたさが残ってるって事なんだけども。

まあ、実際コムギを見たら王は思い出すだろうな。
ってのも、誰かと一対一で戦っていた事を思い浮かべたイメージ。
そこで浮かんできたイメージが軍義のシーンだった。
って所から容易に想像出来るのが、これもまた良かった。
実際に最後に戦ってたのはネテロと、ではあるんだけど。
王にとってそれは自分の名を知るためだけの戦いであって、
本当の意味で楽しんでた一対一はどう考えても軍義だからね。
そういう意味じゃネテロが若干かわいそう…ではあるけど。
そもそもネテロだって楽しみたかったに違いないからな…。
楽しめなかったのは結局、色んなしがらみがあったからで。

それからこの巻の一番の場所である、ゴンvsピトー。
ゴンがピトーから、カイトはもう生き返る事がない…。
という事を言われた瞬間の絶望があの見開きで凄く良く判る。
真っ白な背景に、ゴンとピトー…それからカイトとピトーのセリフだけ。
確かにただこのシーンがあるだけなら手抜きと評価するかもしれない。
でもこの漫画の、ここまでの積み重ねが、真っ白な背景に絶望を感じさせる。
しかもその絶望はあくまでもゴンの絶望、それ以外には何も無くて。
ゴンとピトーとカイト…この構図はこれ以外ないって感じだった。
ごちゃごちゃ背景があったら伝わらない、そんな絶望。

その後の展開もまさに圧巻。
あれだけ苦労して相手をしてたピトーを圧倒するゴン。
でもそれは傍目から見ても判るほど、命を削った行動で。
だからこそピトーを倒しえた、という部分はあるんだろうけど…。
この辺の一連のゴンの戦いは、これまでに一度も無かった、
悲しさというか…それを感じさせる戦いだったよなーと思う。
ただ何も考えずに、目の前の敵に怒りを集中させた結果。
それがゴンを成長させたと言っても過言ではないんだと思う…。

まあ、気になるのはやっぱこの後ゴンがどうなるのか。
って所だよなぁ…強制的に自身を成長させ、爆発的な力を得る。
今まで出てきたどんなキャラクターも使う事がなかった念だし。
果たしてゴンが元に戻れるのか、それとも…ってのが一番の謎。
右腕も正直、直せるとしても直さないんじゃないだろうかと感じる。
カイトを失った、その対価として右腕と自身の未来を投げ出した。
そういったレベルの念の使い方だったんじゃないかと思うし…。
何ていうか、これまでのゴンとは完全に一線を画してるよね…これ。

後最後のシーンは完全にプフの落ち度だな、これ。
瓦礫の下に軍義のコマがたった一つだけ落ちてただけなんだけど。
王が記憶を取り戻す、その大きなきっかけにはなってしまってたし…。
あれさえなければ、何とか嘘を通しぬけたかもしれないのに…。
とは思うけど、遅かれ早かれ結局は記憶を取り戻してたかもしれない。
そのぐらい、王のコムギへの執着(か判らないけど)はあったわけだし。
まあ…それが見てる側も一つの救いではあるよなーとも思うわけで。
それがなきゃ蟻編の魅力ってのは半減してただろうしね。
王がただの殺戮マシーンだったら多分つまんなかったと思う。

と、いう所で29巻は終わり。
29巻も中々内容としては濃い一冊だったなー。
特にゴンか…主人公がこれだと今後どうなるんだよ!
っていう部分が一番大きいんじゃないかなーと思うわ。
王やその周りの話も気にはなるけど、それ以上にゴンがね。
30巻も期待したい、というかせざるを得ないよな、これは。

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