サマー・ウォーズ。

サマー・ウォーズ

サマーウォーズ [Blu-ray]

今更だけど、サマー・ウォーズを観た。
やってたの2009年だっけ…もう結構前になるイメージだけど。
今見ても全然面白かった、なんで当時映画見に行かなかったんだろうな。
ってのを、今しがた見終わって思った。

というわけでサマー・ウォーズ。
ぶっちゃけもっと田舎の青春モノな作品かと思ってましたwww
何ていうんだろうな…田舎の大家族がテーマでその中で描かれる青春!
甘酸っぱい夏休みの物語…みたいなのを想像しちゃってたんですが。
いやこれ、まあ甘酸っぱい部分はあるけど、ベクトル全然違ったわ!
って感じ…なんか気づいたらテーマが最先端行ってたレベルまであった。
まさか仮想空間と現実世界をごっちゃにした、サイバーゲームがテーマなんて。
全く、あの良く見かける一枚絵のイメージからは想像出来なかったわ…。

まあ、確かにタイトルがウォーズだからね。
何かしらこう、争うって言う部分がシチュエーション的にあるのかなー。
って言うのは思ってたよ、思ってたけどもっと田舎の近所づきあいの争いとかw
そういう方向性だと思ってたんだよ…それだとなんかすげー嫌な映画になりそうだけど。
でも田舎のイメージで、ウォーズで…どっちかって言うとそういう方向性じゃん!
前知識無しで見始めて、いきなりサイバー空間丸出しとか驚くよね…。

でも面白かった。
他の人の評価、ってのも見てないからあんまり良く判らないけど。
元々俺の世代と言うか、こういうテーマを好きだって言うのもあると思うけど。
何ていうんだろうな、田舎…大家族とそれと相反するような仮想空間の話。
それがある意味綺麗にマッチしてた、させてた…そんな作品だったんじゃないかな。
もっと凄くレトロでスロウな映画を想像してたのは上でも言ったけどさ。
そういうレトロでスロウな部分って言うのもやっぱきちんとあって。
その上で今を駆け抜ける様なものを取り入れて表現してた、って感じかな。

ただ、中盤の夏希が男視点だとイラっとする部分はあるね、これ。
おいおい、お前呼んでおいて初恋のおじさん出てきたらそれかよ…。
って言うような、健二を視点として見てた場合もやっとする部分がある。
まあ、考えてみればこういう田舎のイトコ関係ってある意味そう言う部分はあるし、
例えば俺(うちも田舎だし、集まる時はあれぐらい集まる)も小さい頃を考えると、
ああいう風な部分って言うのもあったんじゃないかなってのはその通りでさ。
ある意味凄く田舎の集団の一こまを捉えてるシチュエーションではあるんだよね。
従兄や従姉を好きになったりする事、ってのはしばしばある事なんだよ。

だからある意味この映画だと、その恋とも憧れとも呼べる部分。
夏希がそれをある意味で風化させて、やっと先へ進んでいけるって言うのかな。
まあ、やっぱ従兄は従兄でさ…別の本当の恋に気づくと言うかね。
勿論最初はそうじゃないし、ただの恋人役だったのかもしれないけど。
こういう風にドラマを経て、健二の良さに気づいていく…みたいな。
そういう部分って言うのもこの作品のテーマだったのかなーって思う。
だから最後のシーン、まあある意味コメディでもあるっちゃあるんだけど。
あのシーンってのはこの作品のエンディングとしては凄く正しかった気がするね。

だってね、良く考えたら皆逃げようとしてる中。
それでもその場に残って最後まで戦う、って宣言する強さを持ってるんだよ。
それを見て惚れない女なんて女じゃねーだろ! って言うぐらいのシーンなんだよ!
健二は本当だったらいの一番に逃げ出したっておかしくない立場なのに。
勿論OZのアカウントの最初のキーを与えてしまった(実は不正解だったけど)。
って言う引け目と言うか、感じてる所って言うのはあったんだろうけどね。
それでも逃げ出せば良いのに、立ち向かったって言う所だよね。

それから大事なのは大きくテーマにもなってるけど、繋がりって所。
最初は陣内家当主である栄と、古くからの関係での繋がり。
それによって少しでも、平静を取り戻す事が出来たって言う事。
それから家族…男集総出で佳主馬の戦いをサポートしたって言う部分。
更には全員で夏希に対して無条件に信頼を寄せてるって所とかね。
でもってOZと言うサイバー空間を頼りにした、全世界の繋がり。
一つ一つは大した事はないけど、皆が繋がって大きくなっていく。
何ていうか非常に王道で、目新しくはない部分ではあるんだろうけど、
こういうのをしっかりと、それから熱く描けるって言うのは大事な事だと思う。
下手に奇をてらうよりよっぽど、心に響く展開を作れるんじゃないかな。
それがこの大きなテーマである、つながりってものだったんじゃないかと思う。

要するに栄が本当に大事してたもの、ってのはそれなんだよね。
山を売られようが、10年顔を見せずにふらふらしてようが。
つながりって言うものを大事にしてればそれが一番…って言う部分。
勿論それを面と向かって、侘助に言えるわけはなかったんだろうけど。
最後の最後、自分が死んでからでも侘助がそれにきちんと気づけた事。
陣内家のつながり…それを感じる事が出来たからこそ、陣内家の勝利もまたあった。
って事が、栄にとっては一番の供養と言うか、喜びなんじゃないかと思える。

そんな栄の存在も良かったよね。
健二が嘘をついて恋人役に仕立て上げられたって事を知っても動じないし。
それどころか、健二が夏希を託すに申し分ないと判断出来る観察眼。
誰よりも早く事態の収拾の為に動ける行動力…スーパーババア。
本当の意味で柱、って言う気がして来る、そんなキャラクターだった。

後、最後健二の役割って言うのがないのかとハラハラしてたけど。
あの中で健二にしか出来ない事があって、きちんとそれをクリア出来た。
夏希が全てのアカウントを背負って戦った事、侘助がプログラムを書き換えた事、
佳主馬が相手を止めた事…それから健二がパスワードを解いた事。
今回の物語を締めくくるに相応しい、カタルシスの解放がきちんとあって。
展開は王道なんだけど凄く熱くなれるシーンだったんじゃないかな。

というわけで非常に面白かったです。
当時映画をなんで見なかったのか、ってのが悔やまれる所だけど。
逆に言えば今こうやって面白い、と思って見る事が出来たわけだし…。
一概に昔見なかった事がダメだった、と言うわけではないのかもしれないね!

あ、でもキャストは声優さんを使ってないからかな。
若干違和感あるように感じたけど、まあジブリテイストを出してるのかもしれないね。
確かに声優さんを使うと上手いんだけど、荒削りな表現ってのは少なくなって。
良くも悪くも完全に完成されたものになってしまう、って言うのはあるのかもしれない。
まあ、どっちが良くてどっちが悪い、と言うわけではないんじゃないかと思うし、
ハマり役なのであればどちらを使っても良いんじゃないかとは思うけどね。
芸人を知名度だけで選ぶ、みたいな事にさえならないでくれれば。

そんなわけで、田舎のレトロな大家族チックなものも見れるし。
最先端チックなサイバースペースでのウォーズ…戦いってのも見れるし。
その二つが融合して、新しい世界観を作り上げてる作品だと思うので。
気になった方は是非見てもらえれば良いんじゃないかなーと思います。
そもそもテーマも展開も、そんなに難解なものじゃないと思うし、
難解じゃないからこそ素直に受け止めるのが大事じゃないのかなと思うので。
佳主馬の頑張りや夏希が背負った事、侘助が戻ってきた事や健二の孤独な戦い。
それに家族や友人、仮想空間で繋がった全ての人たちの戦い。
そういうのを素直に感じて、観るのが良いんじゃないかと思いますよ!

後何だかんだで夏希が可愛いので…。
こういうのも悪くないな…的な部分を感じてもらえれば。
それに田舎を経験してる人なら頷けるような表現もあると思うし。
最初から最後まで、見てて飽きない作品だったんじゃないかな! と。
というわけで面白かったので、是非お勧めしたい作品と言う事ですね。
まあ、俺が見るのが遅かったし、既に見てる人が大半な気もしますがw

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