この大空に、翼をひろげて 感想。

PULLTOPの、この大空に、翼をひろげて。
全体を通した感想をまだ書いてなかったので、とりあえずさらさらっと。
途中結構期間空いてるんですが、面白くないから空いてたとか。
そういうわけじゃないので、その辺はご理解のほどを…という方向性。
単に俺が不精だっただけです…。

そうですねぇ、このゲームもそんなに悪くはない出来だったんじゃないかなと思いましたよ。
主人公が空を飛ぶ(グライダーで)意味も、ヒロイン達が空を飛ぶ意味もしっかりあって。
最終的にその両方が描かれてて、方向性がブレてないのは良かったんじゃないかと。
実の所主人公が自転車競技を止めたバックグラウンドって結構悲惨なんですが。
主人公の碧が割とその当たりを振り切っていくのも、シナリオのポイントの一つと言うか。
まあ、お人好しと言うか、基本的に良い奴だったってのが大きいですね、これ。
そのおかげで、ヒロインごとのルートでの碧の役割がはっきりしてたと言うか。
先んじて碧が一歩進む事で、ヒロインを導いていくってのが良かったです。

逆に強いてうーん、って思う部分は、作品のエネルギーの6~7割が小鳥と天音に寄ってる事、かな?
残りの2.5割ぐらいがあげはで、正直な所亜沙と依瑠に関しては0.5割が良い所…。
と、まあルートによって随分と大きく差があって、それが埋まらなかった事ですかね。
どんなゲームにも、やっぱりメインとそれ以外、って言うくくりはあると思うし。
それがあってはいけないわけではないので、それ自体を悪いとは言えませんが。
ただ、コンセプト的にやはり小鳥(か天音)に大きく偏りがあったかなぁ、と思いましたね。

その中でもやっぱり小鳥ルートかな。
イスカの残したノートを発見したのも彼女であれば、飛びたいと思ったのも彼女で。
だからこそやっぱり、他のルートよりもしっかりと作りこんでるのは理解出来ますけどね。
何より自転車競技を止めざるをえなかった碧がまた動き出す切っ掛けを作ったのも小鳥で。
でも小鳥が空を飛ぶ信念を貫けたのは碧がいたからで…と相互効果が高いと言うかね。
そういう部分がしっかりと描かれてたのが小鳥ルートだったんじゃないかなーと。
だから小鳥ルートがどうしても他よりもかなり比重的に重く感じるのはあるんじゃないか。
そう感じるぐらいには、ゲーム全体を通して小鳥ルートに偏ってた気はします。

割を食ってたのは双子ルートですかね…。
そんなに嫌いなシナリオではなかったんですが、やっぱり味付けが薄いと言うか。
うーん…もっとお家騒動的な所へ発展しちゃっても良かったのかな、とは思いました。
結構さらっとその辺流されてて(実際にはどうか判りませんが)勿体無かったなと。
家との確執とか、姉と妹の違いとか、色々出来る事はあった気がしますけどね。
でもそれをソアリング部と絡めていくのは難しかったのかもしれませんが。

なんで、まあどうしても小鳥と天音ルート以外はサブシナリオ的なボリュームと言うか。
あげはルートは…まあなんていうか幼馴染鉄板コース的な感じでしたけどね。
あげはルートの場合はどちらかと言えばほたるとの絡みが一番大きいと言うか。
そういう意味で言えば、空に深く関わるのは前者の2ルートだったのかなぁ、と。
勿論双子ルートもあげはルートも作りはしっかりしてましたけどね。

というわけで、本筋自体は天音ルートと小鳥ルートで大体判るんじゃないかな。
双子ルートとあげはルートはその脇を描写するような感じと言うか。
そういう意味で少しだけ薄味のまま終わっちゃったなーと思いました。
個人的には双子がキャラ好きだっただけに、もう少し盛り上がりが欲しい!
って感じでしたが、まあそれは仕方ないんですよね、多分…。

あ、キャラ自体ではほたるが一番可愛いと思いましたが。
あげはルートでは途中からギャグ(要素向け)要因になってたりとか。
良いキャラなのにソアリング部じゃないから話に絡みそうにもなかったりとか。
ちょっと勿体無いなぁ…と思ってましたが、ファンディスクではヒロイン昇格した模様。
ただ、とは言ってもやっぱりソアリング部というわけではないのが気になりますね。
なんていうかファンディスクでヒロイン昇格しても、色々薄味で終わらされそうな。
同じく佳奈子さんも良いキャラだと思いますが、ソアリング部ではないので…。

キャスティングは、最初小鳥の声が若干気になりました。
うーん、なんていうのかなー、こういうゲームだと聞きなれないタイプと言うか。
でもなんかずっとやってるうちに小鳥っぽいなと、そうなってしまうわけですね。
最後のほうではもうこの声じゃないと小鳥じゃねーなー、となるわけですよ。
調べたらはつゆきさくらのサクヤの声の方らしく…全然気づかなかったけど。
そういう意味では小鳥のイメージをしっかり作って演技されてたっぽくてグッド。
他のキャラクターも概ね良かったと思いますよ、亜沙ちゃんの声可愛かったし。
天音先輩なんかは不思議キャラっぽいのがしっかり出てたし、
あげはは元気いっぱいって感じの演技だったのが良かったです。

あ、強いて言えばイスカの声が気になりましたが。
いや、まあそんなに出てくる(声がね)キャラじゃないんで良いんですが。
あえてああいう風にしてるのかどうかってのは判りませんが…。
若干気になるかな、と聞いてて思ったぐらいです、はい。

という訳でころげて(略称ね)終了と言う事で。
亜沙と依瑠のルートがもっとしっかりテーマに沿う様に厚く作られてたら、
かなり良作の部類に入ったんじゃないのかなと言う感じの出来だったかなと。
それ以外はBGMもテキストもしっかりしてた作品だったと思いますしねー。
要するにやっててこれといって不満がある作品ではなかったのは確かでした。

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