英雄伝説 閃の軌跡2 感想。

内容がおぼろげにならない内に感想を書いておく事にします。
とりあえず終わりましたが…まあ、多分大体言いたい事は判ると思われます。
基本的なシナリオの構成は1・2部と終章(エンディング)がメインで、
それ以外に終了後の外伝、後日譚と2つの展開がありました。
後2周目にしか判らない事もそれなりにあるみたいな話ですね。
なんで2周目? と言う気がしないでもないんですが(視点変わるとかなら判るけど)、
とりあえずは1周クリアした感想と言う事で読んで頂ければ幸いです。

と言う訳でまあ…言いたい事判るよねって書きましたけど。
ストーリー的な話からすると、風呂敷がさらに広がっただけでしたね。
軌跡、と言うくくりで見た場合今回の閃2で畳まれる事ってのは一切ありません。
大きな視点で見るとまあ、シリーズ的にはまだまだ色んな計画とかが動いてて。
あくまでも今回のエレボニアでの動乱、東部でのリィン達の動きその他諸々。
それらすべて色んな事の”一部”でしかなく”一部”であるが故に一切畳まれない。
と言う感じなんですが、まあある意味では判ってた事なのかもしれませんね。
どうせ何も解決しないだろうな、と個人的にもそう思いながらやってましたしね。
ただ、そうは言っても空からやって来てるわけですし、空からもう何年ですか?
少しぐらい軌跡としての大きな枠組みの中の一つぐらいは畳みにかかるよね?
って言う期待はあったと言うのはあります。
だからこそなんでまた広げてんの、ってなるわけですが。

まあ、多分これ開発とシリーズ続けてる側の想定してるものが違うんですよね。
開発はそもそも”畳む気がない”と言う事をまず理解しなきゃいけない、と言う事です。
ワンピしかり、ブリーチしかり、とにかく話をまず広げられるようにしておく。
その中で後々使えそうな設定を拾っていく、と言う昨今良くあるスタイルと言うか。
最初に色んなものを山積みにして(設定としてね)後でそれを拾って使っていく。
つまり”伏線”を張ってストーリーを組み立てていく方法ではない、と言う事だと思います。
どちらかと言えば”予防線”でも言えば良いのか…そう言う手法なんじゃないかな、と。
もちろん、後々みたら”伏線”になってたように見せるのが腕なんだろうなと思いますが、
基本的に軌跡の場合大きな枠で見た場合そう言う感じは一切しないんですよね。
そのあたりが風呂敷を広げるだけ広げてるように見える一因なのかなと思います。

と、話がそれましたが、そんなわけで一切軌跡としては解決しませんでした。
むしろヴィータ曰くあくまでもこれは結社の幻焔計画の”第二段階”だそうなので。
つまる所その時点でまず終わる気配ないですよねーそうですよねー、と言うか。
少なくとも何章まであるのかは知りませんが、第三段階or最終段階はあるんでしょうね。
つまり元々一切何もかも解決させる気はなかったと言うことしか判りませんでした。

なので、大きな区切りではなくもう少し小さな視点で見てみると、
今回の閃1・2はリィン…まあもう少し広げると7組のメンバーを主眼にしてると言うか。
リィンが帝国の闇の深さやを知る、力を持つものの責務を知る、そういった所なんですね。
これはリィンに限らず、7組のメンバーとして集められた彼等は皆同じ事だと言えます。
アリサはラインフォルトと言う大きな軍事産業メーカーが持つ力の意味を、
ラウラはアルゼイド流というかつて聖女に仕えてた剣術を継ぐものとして、
マキアスは帝都都知事と言う政を行うものの息子として、
ユーシスはアルバレア家と言う四大名門の一子息として、
フィーは名を馳せた猟兵団である西風の旅団と言うものからの独り立ち、
ガイウスはカルバート共和国と帝国に挟まれた土地で生きる者として、
エマは古くから言い伝えられてきた魔女としての、
エリオットは軍属の父親を持つものとしての自分の歩むべき道を、
ミリアムは作られた存在として、帝国の闇を親に持つものとして。
まあ、それぞれにそういった事を知る、つまり自分の道を考える。
最終的に描かれてた、描きたかったのはその辺なのかなと言う感じでした。

ただ、それって軌跡と言う大枠の物語としてはあんまり関係ないんですよね…。
つまり結社の行おうとしている計画、それらそのものに直接関与してないと言うか。
なのでどのキャラクターの話をされてもシリーズとして話が進んだ気がせず。
勿論、例えばリィンの今回のヴァリマールでの一連の行動は結社の計画のひとつ。
幻焔計画の遂行に必要なプロセスとなってた、と言う所は明らかにされてましたが…。
問題はそこではなく結社が”何の為に”リィンとクロウを”戦わせたのか”と言う所なんですよ。
問題はね、その理由が何にも描かれてない事なんじゃないかなって俺は思います。
いやおぼろげに、リィンとクロウ、起動者同士を戦わせる事に意味があったんだな。
ってのは判るんですよ、そりゃ物語と言うかシナリオ読んでたらアホでも判ります。
何せヴィータがそう言ってるわけですしね…ただ、それが”なぜ必要だった”のか。
要するにその動機の部分が一切描かれてないんですよね…。
計画に必要だった、それはわかる、じゃあそれはどんな計画なの?
見てる側が知りたいのは(軌跡シリーズとしてね)そこなんですよね。

なのでリィンとしての始まりの物語。
仲間を手に入れて、仲間と壁を乗り越えて、ヴァリマールと言う力を手に入れて。
それを持ったものの責務と義務を知る…いろいろな人に支えられてやっていける。
まあ、青臭いですがリィンは学生なのでそれは仕方がないとしても、
今回の物語で見てる側がわかることって言うのはそこだけなんですよね。
なので元々主眼がそこにしかないと考えればそう悪いわけではないんですよね。
クロウと戦って、乗り越えて、その先にある闇や力を知るというか…。
小さな枠組みで見てしまえばそれが2作で描かれてた、と言う事なんですよ。

なのでそこはまあそれで良いとしても。
結果的にエンディングで謎や見てる側が意味判んない事を残しすぎなんですよね。
まあ上記しましたが結局幻焔計画とは一体なんなのか、それが持つ意味とはなんなのか。
オズボーンの実子と判明したリィンの感情、エンディングでのあの後の気持ちの整理。
今回の計画に絡んでると言われてたアリアンロードや破戒と言った蛇の実力者。
ミリアムやアルティナを生み出した工房…と言うかアルティナ自身の話やそれら。
まあ…個別にキャラクターに関しての疑問を上げないだけでもまだまだありますよね。

特にエンディング1から外伝に繋がる部分のリィンの気持ちが判らない。
オズボーンが生きてて、さらに自分は本当は俺の息子だと言われて。
リィンが憤慨したのか、諦観したのか、そう言う部分が一切判らないというか。
まあ外伝でああいう態度を取ってる以上、リィンにも思う所が色々あって。
その結果、外伝でロイドやリーシャを相手に見下した態度を取ったのかもしれませんが。
でも、あれって力を持つ物としての責務だったとしても、これまで見てきたリィンと、
あの時のリィンって言うのは見てる側にとってはなんか凄く違うと言うか。
そもそも力を持つものの責務とか言いながらあの行為に参加してるリィンの感情とは、とかね。
だってそうでしょ、そもそもリィンって何の為に帝国の闇と戦って来たんですか?
その根元にあるのってクロウでしょ…一緒に一瞬でも喜怒哀楽を共有した”仲間”のクロウの。
その闇に触れて、止めたいと思った、それでも引き戻したいと願ったから行動した。
で、そのクロウがなぜそうなってしまったのか…それって散々描かれたじゃないですか。
別にオズボーンが悪いわけではない、オズボーンにとってはクロウなんか知りようがない。
それでも、故郷を潰された、祖父を奪われたクロウに芽生えた小さな焔が燃え上がった。
スカーレットも同じですよね、ヴァルカンや最初に死んだ彼も理由は違えど似たようなもんです。
それらを見聞きして、それでも…と言う思いでリィンは行動してたんじゃないんですか?

なのにですよ。
その原因を作ったオズボーンと同じ事を、駒になって外伝でやってるんですよ。
勿論理由はありますよ、そうしなきゃクロスベルに無用な血が流れたかもしれない。
帝国がクロスベルに攻め入って、無辜の民を虐殺した可能性があったかもしれない。
だから自分が尖兵となって、そうさせない為にヴァリマールと言う力を誇示した…。
判りますよ、判りますけどそれってオズボーンがジュライを潰したのと同じですよ。
ジュライだってオズボーンが手にかけた人は居ないですもんね。
でも、結果としてクロウと言う人物に小さな焔を燈してしまったわけで…。
まあ、だからリィンとしても理屈は判る、だから感情は押し殺してこなす。
だからこそ”要請”、と冷たく言い放ってたのは凄く良く判るんですけど…。
ここも問題はそこで、そこへ至るリィンの感情を描いて欲しいんですよ。
そこが描かれないからこいつ何やってんだよってなるんですよ…。

勿論学生の身と言うのはあったのは確かです。
ヴァリマールと言う存在を得てもなお、オズボーンや帝国と言う闇は強大で。
リィンと言うただ学生である存在がそれに立ち向かえる訳ではなかったと思います。
でもね…やっぱり、そこに立ち向かって欲しかったと言うのが本音ですよね。
本来ならオズボーンを止める立場にならなきゃいけない筈なんですよ。
クロスベルを無血で占領する、確かにそれぐらいが今のリィンの精一杯かもしれません。
でも…やっぱりそれを画策するオズボーンやその闇と戦って欲しかったですよね…。
力が足りてなくたって良い、立ち竦むほど相手が強大で諦めかけても良い。
それでも立ち向かっていく、そう言う意志を見せて欲しかったです。

と言う訳で、まあ肝心な所は描かれてなかったと言うのがやった感想ですね。
というよりは意図的にそれらを先送りにしてる、と言う雰囲気はあるのかなと思います。
幻焔計画もそうですが、オズボーンやそれらの周りの出来事もそうですね。
ただ、今回はリィンが道を見つける、7組のメンバーがそれぞれの道を見つける。
学生ですからね、そこから始めなきゃいけないと言うのはあると思いますしね。
なので良くも悪くも、閃の軌跡ってのは1と2、あわせて”序章”もしくは”スタート”かなと。
道を見つけて、躓いても良いからそれを歩いていく決意をそれぞれがした。
そう言う所が描かれてたので、つまる所今後に期待をするのがベターなのかな。
って感じなんですよね…キャラクターの掘り下げ自体足りてなかった気はしますが。

まー散々言われてる事ですが、これで次回作なかったらどうするの?
って感じですし、そもそも次回作でリィンが主人公じゃない場合投げっぱなしですよね。
リィンが歩くと決めた道の事も何も判らない、リィンとクロウが争った意味も判らない。
7組のメンバーがそれぞれ歩くと決めた道を歩いていけてるのかも何も判らない。
そもそもリィンが主人公でなかったらオズボーンとの関係が一切判んないですよね。

後ここから長い間あけられても正直…。
と言っても、後日譚でのメンバーの会話を見てる限り次もリィンが主人公で。
そこまで先の話(作中でのね)ではないのかな、と言う気もしますけどね。
またすぐ会えるだろうとか、そう言った様な事を言っていたので。

なので良くも悪くも途中で終わってるなぁ、と言う印象のゲームでした。
まあ、1の時よりはある程度マシですが(ぶった切りではないから)、
結局大枠としての判らない部分が多すぎるのでなんとも言えないですしね。
それに折角出してきてるキャラクターも使われてなかったりする人多いですよね。
オーレリア将軍とかね…まあ前作で言うゼノとレオみたいなものかもしれませんが。
顔見せだけ…という意味でならまあ納得の出番の少なさとも言えるでしょうね。

ま、要するに文句があるとすれば皆大枠の話を見たいよね。
と言う所なのかなと言う気がするので、その辺り出来れば頑張ってほしいですよね、と。
空は0から25ぐらいを描いてましたけど、碧や閃でもまた10から30を描いてる感じと言うか。
そのせいで大枠を考えた場合中々進んでないように見えると言う事なんだと思います。
ま、今回わざわざ外伝でロイドやリーシャとリィンを戦わせたわけですし。
ロイド側のキャラクターが色々動いてると言う部分も描いてたので。
そうなるとやっぱ期待はしちゃいますよね…と言う感じでした。

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