うたわれるもの 偽りの仮面 感想。

うたわれるもの 偽りの仮面

と言うわけでフルプライスのゲームをこのプレイ時間で!?
と言う感じですが、うたわれるもの偽りの仮面、終了しました。
もちろん長い事が面白い条件ではないのはその通りではありますが、
ちょっと短かったかな…と言うのがネタバレ抜きで書ける感想ですね。
とりあえず以下ネタバレこみこみの今回のプレイ感想まとめと言う事で。

□ 最初に

とりあえずまずは最初に全体の感想ですが。
冒頭でも書きましたが、とにかく短かった…と言う印象がまず一番大きいです。
恐らく全体を通してのゲームプレイ時間は12時間~14時間少々だと思いますし、
その内ストーリーに大きく関わる部分、またSLG(戦闘パート)に関わる部分。
そこだけを抜き出してみると更に短く、大半はやはり日常パートなんですね。
もちろんこの手のゲームにおいて日常パートが重要な役割なのは当然なんですが、
それを含めて10時間少々でクリア出来てしまう…と言う事はつまりそう言う事です。

もちろんこれも上記しましたが、長ければ良いと言うものではありません。
だらだらと平坦な日常パート、しかも面白くないものをひたすら続けて尺を稼ぐ。
それはやっててつまらないな、と思う要素になりうるのもまた確かなんですね。
加えて受け取り方にも色々あると思うので一概にダメとは言い切れませんが。
ただ、俺としてはかなり短かったと思いますし、1本のゲームとして評価して良いのか。
と言う点においてはちょっと何とも言い難い感じは否めませんでした。

率直に書くとこれ、第一章完なんですよ!
むしろ下手するとプロローグが終わった、ぐらいの量しかないと言うか…。
まあ、クリアした人なら判ると思いますがあくまでもここからがスタートなんですよね。
なので正直評価しろ、と言われても一本のゲームとして評価出来ないと言うか、
評価してしまうとやっぱり「終わってないゲーム」としか言い様がないんですよね。
つまり一本のゲームとして言うなら正直これはちょっとないなー、と言う感じです。
ただし、今後続きがスタートしてそこからの可能性はあると思いますが。

□ ストーリー

舞台設定などは前作を引き継いでます。
前作から約15年後ぐらいかな、そのぐらいの時間が経った後の話ですね。
なので終盤には前作の舞台であったトゥスクルも物語の一部として出て来てました。
キャラクターに関しては初期の段階でカルラやトウカ、徐々にオボロやドリィグラァ。
終盤にはトゥスクルからの大使としてアルルゥやカミュ、名前だけんらウルト。
加えてトゥスクルへの遠征ではクロウやベナウィと言ったキャラも出て来るので、
とにもかくにも前作ありき…と言う作られ方は間違いないのかなと。

ただし今回の偽りの仮面、と言うくくりではそこまで重要なキャラクターではなく。
かといって物語を盛り上げる為の出番だったかと言うのも正直な話微妙でした。
と言うより今回の物語の主軸のストーリーがそこまで進みきってないんですよね。
今回重要なキャラクターとしてクオンと言う、主人公を拾った少女が出て来るわけですが、
そのクオンを取り巻くキャラクターとしてそれらのキャラクターは登場するわけで。
でも今回の偽りの仮面、としてのくくりではそのクオンを描く所まで行ってないんですよ。
作中でクオンと言うキャラクターの出自、取り巻く環境はある程度出て来ます。
カルラやトウカやウルトを母と呼び、アルルゥやカミュに妹として扱われている。
加えてオボロの呼び方…また最後のシーンでのオボロのクオンを受け止める優しさ。
前作をプレイしてればクオンがどういう立ち位置のキャラクターなのか…。
と言う事は良く判るんですが、判るだけでストーリーとして動いてないんですよね。

かと言って今回、ハクが主人公として滞在するヤマトの政変。
それらが完結したのかと言うと一切そうではなく、ヤマトの頂点が崩御する。
崩御したヤマトと言う国がどうなって行くのか…と言う所で終わってるわけですね。
つまり、ハク視点にしろクオン視点にしろ、物語がやっと動き始めたと言うか。
あれ、面白くなるにしてもここからなんじゃないの…?
と言う所で終わっちゃってるわけなんですよね…。

だからプロローグとか第一章と言う書き方をしました。
だって本当に物語始まった所なんですよ…本当にこれから国がどうなって行くのか。
ヤマトと言う国だけでなく、戦争を仕掛けたトゥスクルやヤマト周辺の国々。
内変だけでなくそれ以外の国、またそこに居るであろうそれぞれの王や長。
そう言った、前作で面白かった部分にまだ辿り着いてないんですよね。

加えてうたわれるもの、と言う作品で重要な過去から繋がる部分。
つまり人類が地上に住む事が出来なくなった過去の部分。
ハクオロや今回のハクが関わっていたであろう過去の研究。
いわゆる失われた文明がどうなったのか、それが影響して今後どうなって行くのか。
と言うような部分も、本当に出しただけで何も片付いてないままなんですよね。

なのでストーリーに関しては正直何とも言えないと言うか…。
いや、もちろん長い目で見たときもしもどこで切るか? と言われたら、
確かにここしかないよなぁ、とは思うんですがちょっと拍子抜けですよね。
今回の舞台の政変についても、過去の文明の話についても全てこれから。
つまり次回出るであろう3(なのかどうか判りませんが)を待つしかない。
とまあそんな感じなので、正直な話これを評価するのはどうなのかなと思います。

□ 日常パートやキャラクター

ただ、キャラクターゲーとしては個人的にはそこまで悪くはないと思ってます。
今回の主人公であるハク、クオンはキャラクターとしては好きですし。
その他ハクを取り巻くキャラクターは個性もあるので割と好きなキャラが多くて。
前作のキャラクター自体も、その性格とかを壊さずに出て来てたと思いますしね。

加えて日常パートの会話ややりとりは面白かったですしね。
ちょっとクドい部分があって(お菓子ネタ、ホモネタ)その辺はどうなのかな…。
みたいな所もありますが、それ以外の普通のやりとりは面白い部分もあって。
そう言う所は前作同様キャラゲーとしては申し分なかったとは思います。
今後、ルルティエやアトゥイと言った主要キャラの親族や国周り。
そう言った所にも期待できるとは思うので、その辺は良かったと思いますけどね。
出来れば今後、ではなく今作でそれらをしっかり描いて欲しかったとは思いますが。

でも問題なのは(今の所見えてる)いわゆる敵側ですね。
現状では今回の政変の黒幕、と言った存在は正直良く判らなくて。
その為に圧倒的にこいつが! と言うようなキャラが居ないんですよね。
終盤ボスとして登場したヴライなんかはこいつ何も考えてねーよなぁ…。
ぐらいの考えでオシュトル(やハク)を敵として勝手に認識してたり…。
いやー流石に八柱将とかなのにその考えの無さはちょっとどうなんだ?
みたいな空気がありましたね…ボスとしての存在感自体はあるんですが。
かと言って他の八柱将であるウォシスやライコウはそこまでの器に見えませんし…。
と言うよりウォシスが黒幕だとしてもそんな判りやすい…みたいな所ありますしね。

なのでキャラは悪くないものの、設定的にちょっと弱いと言うか。
他の八柱将も顔合わせにしか出て来てなかったトキフサやゴミクズなデコポンポ。
ヤマトに残ったままで流石にこの人が黒幕だったらクソゲー確定だなのムネチカ。
それに加えて残ってるのはもうルルティエ、アトゥイの親であるオーゼンとソヤンケクル。
…つまりもうこの中で黒幕として描けるであろうキャラって限られてて、
かと言ってそのキャラクターが黒幕だわーってのはちょっと拍子抜けと言うか。
描かれてる部分だけみると、正直そこまでの器であるキャラがいないんですよ。
八柱将の他にはウコン、サコンとして一緒にあれだけ酒を酌み交わしたミカヅチ。
ミカドの傍に仕えていた、かつてのハクの義姉の遺伝子から生み出されたホノカ。
うーん、どれも正直黒幕としてしっくり来るかと言われると、って感じですよね。

だからこそここまでのストーリーでしっくり来ないと言うか。
目指すべき親玉が居ないのでどう捉えて良いのかが良く判らないんですよね。
これから描きたいもの、その部分自体は判るんですが…。

□ 戦闘パート

さてストーリーを離れて次は戦闘パートの話ですが。
うーん、これは正直ちょっとどうなのかなーと思う事の方が多かったです。
まあ、元々PCゲーの時の戦闘パート自体荒削りなゲームではあったんですが。
何ていうかまあバランス自体そこまで良くは無いと思いますし、
SLGとしてみた場合もうちょっとこう…って思っちゃう感じでしたね。

まず食らうダメージデカいので近接キャラであんま殴りたくないです。
特に敵が2~3居る所に近接キャラを置く、と言う事自体もう死にに行くようなもので。
そのターンによっぽど全員がまとめてそいつやその周辺を殴って倒しきれる。
と言うシチュエーションにならない限り前に進みたくないんですよね…。
まーだらだらと何回も何回も殴らないといけないほどの耐久力を持たせる、
ってのもどうかとは思うんですが、下手すると反撃でワンパン撤退みたいな…。
そこまで行くと近接キャラとは…みたいな空気が若干流れると言うか。

なので相対して遠隔キャラを使う用になっちゃってました。
特にノスリとサラァナ・ウルゥルが優秀なアタッカー過ぎて…。
一応遠隔キャラとしては他にも居ますがこの2人がほとんどアタッカーでした。
多分開発的にはノスリやキウルみたいな遠隔キャラで削ってヤクトワルトやクオンで叩く。
みたいな遊び方を想定してたのかもしれないんですが…非常に面倒臭い。
だったらノスリで殴ってサラァナ・ウルゥルで殴って終わらせりゃ良いじゃん。
そんな感覚で…その理由の一つが敵側の連撃の範囲攻撃でもあるんですよね。

つまりフィールド自体が狭いので、近接キャラが密集するんですよ。
で、密集すると相手側が反撃なんかかけて来た時連撃で範囲飛ばして来たりとか。
そんなことがあって、その範囲攻撃がHPの8割9割削っていくんですよね。
撤退しないまでも、複数人まとめてHP1割2割とか正直だるくないですか?w
俺はだるかったです、かといって離しまくるのも面倒臭い感じしますし…。
特に真・ヴライ戦なんか近接キャラ完全に囮にして遠隔が殴ってるだけでしたよ。
近接キャラなんか殴りに行っても反撃で死ぬか生きても次のヴライのターンで死ぬし。
なんだこれ? みたいなレベルだったので、囮にしてターン数稼いで、
サラァナ・ウルゥルが遠距離から一生ぼこすかやってるゲームになってました。
果たしてそれをゲームバランスが取れている、と言って良いのかどうか。
ちょっと俺には良く判りませんよね。
あ、後移動マス数少なすぎて遅い奴一生追いつけないとかありましたしね。
移動距離アップの装備とかありましたが、それでも遅れると追いつけないので。
進み続けるようなマップだと延々何も出来ねぇこいつ…みたいなのありました。

後フリーの戦闘がないのも要因だと思います。
これ、序盤とかウコン(やオシュトル)からの依頼みたいな形で、
野獣倒したり、盗賊倒したり、みたいなフィールド追加しときゃよかったのでは?
一応経験値稼ぐ為に回想、みたいなものでレベル上げたり出来るみたいですけど…。
ストーリーでの戦闘シーンをもう一回やれるドン! 経験値上げられるドン!
みたいなのは何ていうか情緒もへったくれもないんじゃないかな、と。

加えて文句ばっかりでアレですけど、戦闘自体進むの遅いです。
なんか一々ストップすると言うか…さくさく進まないので面倒臭い。
特に敵側の行動とかこっちが進めないと戦闘すら終わらないんですよね。
いや、そこはもう敵自動で攻撃したら自動で次の行動に移れよ、と。
確認的な意味合いがあるのは判るんですが…一々途切れる感じがすると言うか。

それと連撃ですね。
システム自体は嫌いじゃないし、タイミング押しなんかも好きなんですが…。
タイミングの円が出る場所なんかがキャラや向きごとに変わるのが判り難いです。
後キャラのアニメーション自体で位置変わって〇の位置がズレたりとか。
なんか設定で変えられるっぽかったので設定次第なのかもしれないんですが、
都度まず〇を確認する所から始めるとタイミング取り難いんですよね。
位置自体は正直統一してくれても良かった(つまり見る所を一定に)のかなー。
と思いながらプレイしてましたが、まあ慣れとかもあるんでしょうけど。

後技も判り難いです。
感覚で把握出来るぐらいにしておいてくれると嬉しかったかなーと思いますね。
まあ、多様性を取り入れた結果なのかなと言う気もするので何とも言えませんが、
もうちょっとこの辺奇麗に纏まってるとゲームとしてやりやすかったのかなーと。

□ いろいろ

と言うわけでまあ、全く完結してないゲームでしたが。
気になる部分と言うか、さっさと続き読みたい部分もそれなりにはあって。
だからこそなんで分割やねん、みたいな雰囲気があるわけなんですよねー。

ヴライとの戦いで死んだオシュトルの仮面を被ってオシュトルに成ったハクとか。
偽りの仮面、ってタイトルがかかってた事自体はまー悪くは無いと思いますが。
ただ何ていうか、流石にあれだけ一緒に行動してたのにお前等間違えるのか?
って言われるとちょっとなぁ…ヤクトワルトやキウルは一緒に酒飲んだりしてるし。
クオンにしてもそこ本気で判らなかったのかー、みたいな所はありますけどね。
一応、日常パートでオシュトルに扮したハクをネコネが全く気付かない。
みたいな前フリはありましたけど…。

他にもクオンの出自含めての前作キャラの今後の関わり方とかですかね。
なんだかんだ言って前作のキャラは皆好きなので、その辺は割と楽しみです。
若干持ち上げられすぎ(ムネチカ相手に楽勝ペースのベナウィとか)かな、
と思う所はありますが、まあ前作のあの後それだけ研鑽を積んできた。
と考えれば…特に本物の仮面の力を使ったハクオロとの戦いの経験はありますしね。
たかだかレプリカ(っぽい)の力を使った相手ぐらい…みたいな感じなのかなと。
とは言っても生身と明らかに異形の力を使う相手とでは…って感じでしたが。

ああー後はキャラの描写もう少ししっかりして欲しかった部分もあります。
その際たる物がアトゥイとヤクトワルトで、この2人描写が今一なんですよね。
アトゥイが戦いが好きなのは判るんですが、日常パート多すぎて強調されてないし、
ヤクトワルトは皆をあっと言わせるほどの剣豪のはずなのになんか後半しょぼい。
日常パートに天秤の比重が傾きすぎたせいでその辺が今一だったんですよね。
前作は日常パートに偏ってても、カルラやトウカの強キャラ感はちゃんとあって。
色んな所のやりとりでカルラがそれだけの自信を持って前に出る、ってのが判るんですよ。
でも今回アトゥイやヤクトワルトがそこまでの役者として描写されてないんですよね。
だからアトゥイの戦闘狂の性格や、ヤクトワルトが強いみたいに言われてもなんだかなーみたいな。
だったらその辺をアピールするエピソードをもっとちゃんと描くべきだよな、的な。
菓子食ってるかホモネタか酒飲んでるかしか見たことねぇよ。

と言うわけで色々(キャラ含めて)勿体無い感あるので。
続編ありき、で作ってるのならその辺をしっかり次回で何とかしてください。
物語については正直現状でどうこう言える所まで行ってないと思いますし、
生かすも殺すも次次第、次の発売までの期間次第なんじゃないかと思ってます。
と言うか全部しっかり1本に収めてたら評価違ったかもしれないですけど…。
流石にプロローグだけでフルプライス、続編はいつになるか判りません。
では評価をしようにも、終わってないっすねーぐらいしか言えませんよね。

なのでまあ、是非さっさと次を出す事を期待しておきます。
WA2とかで分割商法でもいける、みたいになっちゃったんですかね…。
プレイヤーにとっては正直な所何も良い売り方だとは思えませんけど。
ま、キャラは好きなのでその辺については期待しておきます。
いつ次が出るのか全然判りませんけど!

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