映画 アイアムアヒーロー。

先週末の土曜、レイトショーで見て来ました。
公開から少し経ってますが、予定の都合上後回しになってて…。
やっと友人との都合がついたので土曜の夜になった感じですね。
原作を読んでるので後回しでもいいか、ってのもありましたが。

とりあえずまず良かった点と悪かった点を。
良かった点は、原作を読んでてもちゃんと楽しめる映画だった事ですね。
映画の尺の中である程度しっかり綺麗にまとまって終わってた事です。
逆に悪かった点は、これはまあ仕方ない部分も多分にあると思うんですが、
要するに単なるゾンビパニック映画になってた、という所ですね。
ただ、悪かった点でこれを挙げはしましたが、
だからこそまとまった終わりになってるのはあると思います。
ま、要は面白かったけど原作を読んでると、んーって思う部分もあるよ。
って感じの実写化映画だったのかなー、と言う事ですね。

あ、まあもちろん全て原作をトレースする必要はないと思います。
原作の中で何が重要で何が描かれてるから面白いのか。
それをはっきりさせておけば別にそれでよいとは思うので、
アイアムアヒーローの実写化に関してはそこそこそれは出来てたかな、と。
もちろん俺は映画評論家でもないのでそんなに難しい事は言えませんが、
原作の中で必要な部分を局地的に抜き出すとやっぱりゾンビパニック…。
というのは間違いなくて、それはしっかり描かれてました。

ただまーなんだろ…そのゾンビパニック。
って言う部分だけで考えると洋画に山ほど同じような映画あるんですよね。
ショッピングモールが拠点になるとか、そこから脱出するとか…。
まあセオリーなんだろうな、と思う部分もありますがそれだけで新鮮味があるのか。
って考えると、ショッピングモールを拠点にするぜ! とかはまあ…。
いや、実際にモールは資材含めて舞台として優秀なんだと思いますが。

なのでそう言う元々ジャンルとしての枠を考えると、
アイアムアヒーローの映画はなぞりつつも面白かったなと思います。
終盤英雄がショットガンで無双する所とかはそれまで溜まったもやもや。
みたいなのを一つ一つふっ飛ばしてるようで見てて良かったですしね。
細かい事は抜きにして、そういう部分を楽しむには十分な映画でした。

逆に原作で結構しっかり描かれてる色んな葛藤。
例えば英雄のコンプレックスと言うか、自分の性格や生活や。
尺の関係もあるでしょうがその辺は大分省略されてた気がします。
ぶっちゃけ、最初の漫画家であるという部分とか意味なかったですよね。
漫画家だからこそ、現実と妄想の境目が良く判らない。
そんなキャラクターなんですが、その辺の描写が最初だけで。
その後はもう漫画家である事なんかはどうでも良くなってたかなと。
てっことかもただの売れない漫画家と同棲する女みたいになってましたしね。
その流れでコロリ隊長とかも出て来た意味あった? って感じでした。

後は…まあ一番言ってはいけない事なのかもしれませんが。
ヒロミが正直に言うとただの可愛い女子高生なだけで終わってました。
元々ちょいブサであるゆえのコンプレックスとか、学校での立場とか。
そう言う色々なものがあるからこそのキャラクターだと思うんですが、
ほんと単なる可愛いだけの女子高生、置物みたいになってて…。
なんていうのかなー、本当に必要だったのかちょっと謎でした。
何ていうか英雄がヒロミを守る事を決意する、みたいないわゆる舞台装置。
ただのマクガフィンとしてしか意味がなかったのが残念かな、と。
原作だとそれ以上の意味がヒロミにはあるわけですしね。
最もその辺が描かれていくのは映画の結末よりも先の話ではありますが。

つまりね、有村さんが可愛いだけだったんですよw
良くも悪くもそれ以上でもそれ以下でもないと言うか。
結局ずっと動かない役どころなので演技の質も判りませんしね。
ただ居るだけで良い、そんな感じだったのが勿体無いのかなと。

逆に大泉さんは非常に良かったです。
正直英雄のあのもっさい感じとか、性格とか演じれるんだろうか。
と思ってたんですが、思ってた以上に英雄だったのが良かったです。
いや…それってほめてるのかどうかちょっと難しい所ではあるんですが、
引っ込み思案で妄想癖、中年小太り何かもダメなオッサン。
そう言う英雄をしっかり演じられててそれが一番でしたね。
そこが破綻してたら正直この作品見る所少なかった気がします、実際。

だからね、そんな英雄が終盤、やっと「はい、ドーン!」した所。
あそこはほんと良かったです…英雄が少し変わった瞬間と言うか。
それまでにも細かく言うと、そもそもロッカーから出る事を決意したとか。
一杯あるんですがそれまで撃つ事が出来なかった銃を誰かの為に撃つ。
あの瞬間はやっぱり、ヒロミやツグミにとってのヒーローなんですよね。
そのシーンの為に全てそれまでがあったと言っても良いと思うので。
あのシーンをしっかり英雄として演じられたのは凄いな、と思いましたよ。

後はかなりグロ描写も強かったです。
ゾンビ映画ですしね、その辺はそりゃそうかって感じですけど。
ドランクの塚地がバカスカ殴ってる所とかグロかったですよね。
良い感じに気が狂ってるっぽい演技で良かったと思います、塚地。

という訳でまーゾンビパニック映画としては面白かったです。
洋画には似たような作品が山ほどあるので新鮮味があるか…?
といわれると、そうでもないのかなーと言う部分はありますけど、
それを邦画で楽しめると言うのがこの映画だったのかなーと。
ただあれですよね、これ続編と言うか脱出した後はどうするのかな? と。
ショッピングモールから脱出したぜ! でもパンでミックは終わってないぜ!
みたいな…そう言う後始末は一切投げたままの終わり方ですもんね、これ。
まあ、ゾンビパニック映画を楽しむだけならそれで良いのかなぁ…。
とも思うんですが…そう言う意味では原作知らない方が楽しめるかもですね。

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