Summer Pockets 鴎。

Summer Pockets

二人目、鴎クリア。
全体的にテキストが読みやすくてさくさく読んでしまう印象。
あ、鴎ルートに限らずだけど…Key作品は割とそう言う部分が結構大きいかな。
逆に選択肢に関しては判りやすく、昔のゲームほど禁忌肢はないとも言えるので、
選択肢における緊張感、と言うものはやはり薄いと言っても良いのかなと。
まあ、その点に関してはぶっちゃけセーブ&ロードがあるのでいまさらですが。

と言う訳で二人目は島をスーツケースを引きながらふらついてる鴎をクリア。
相変わらずこのルートでも、良一天膳のみきは良い悪友として動いてくれて…。
何ていうか主人公とヒロインありきだけど、その為には周りの協力が大きい。
というのが紬ルートと同じ様に表現、描写されてるんだなって感じましたよね。

ただ鴎ルートは全体的に不思議を体験する、と言う感じの終わりだったかな、と。
良く良く考えれば紬ルートの時点で、不可思議と言うか不思議な体験で終わるので、
Keyゲーに対してその点を疑問にしても、というのはあると思いますけどね。
その中でも鴎ルートに関してはその色が強いと言うかなんと言えば良いのか。
うーん…要するに一言で表すと、残留思念と対話してる感じと言えば良いんですかね?
だから存在は違えど、一応その場に存在した紬と違って本当の意味で相手は居ないんですよね。
それを幽霊と呼ぶのか、残留思念と呼ぶのか、意志と呼ぶのかは難しい所ですが。
だからこそ、羽依里が体験した一夏のこの物語の最後は誰とも共有出来ないんだけれど、
羽依里が鴎の意志を通じて残したものを沢山の人と共有出来る、そう言う不思議な最後でした。

何にしてもどう考えれば良いのか難しい終わり方でしたね…。
紬ルートに関しては、一応存在として紬が帰ってくる所がエピローグで描かれてますが。
鴎ルートの場合、鴎は本来その場にもおらず、肉体的にもすでに…と言うイメージなので、
そう言う意味でのハッピーエンドというのはありえないシナリオなんですよね。
だから羽依里が出来ることは、その鴎の意志を継いで海賊船を入江におくことなんですが。
羽依里がそれを出来るとは言え、鴎がすでにこの世に居ないことに変わりはなく。
その先、というものを考えるならば海賊船を置き、かつてのヒゲ猫団のファンが揃い、
本当にあったんだ! と思わせても、それがハッピーエンドなのかは難しいんですよね。
過去にあった鴎の意志を継いで今につなぐと言う点ではハッピーエンドなんですが。
果たして羽依里はそれでハッピーエンドだったんだろうか…と言えば良いのか。

ただ、物語の途中は面白かったです。
鴎と出会って、宝の地図や鍵を探して島を探索して、ワクワクする冒険をする。
鍵の置き場なんかは子供目線なのでそれほど凄い! と言うものでもないんでしょうが、
そう言うふうに一つ、また一つと謎を解いていった先に…と言う冒険感ですね。
そこに可愛いヒロインもいて、その物語を見ていられるというのは中々良かったです。

加えて途中、鴎が語った子供の頃の同じ冒険の話ね。
鴎以外の子供の名前で、タカと言う少年が出てくるんですが、
それがもしかして羽依里だったのか? と思わせる部分もあって。
羽依里が小さい頃にこの島で体験したことなのかわからないまま混ざっていく。
でもあくまでもそれは創作の物語の中の話で、羽依里の既視感は過去に自分もその本を読んだから。
そう言う、過去の記憶と今が何となく交差するような物語の描き方がされてた感じでした。

だから何ていうのかな、途中で鴎がそう言う存在だったと判っても。
なんとなくまた鴎に会えるんじゃないか、みたいな感じはするんですよね。
だからこそ、最後完全な離別ルートだったというのが異色と言えば異色と言うか。
鴎の願いであった事を、過去に物語に魅せられた少年が今完成させていくと言う部分と、
例え完成させたとしても鴎と言う自分が今好きになった人が存在しない部分と。
何ていうか折り合いをつける所がどこにあるのか、難しいルートだったのかなと…。

なので物語対して残された疑問点というのはこのルートではあまりありません。
まーすでにこの世に存在しない鴎が、どういう理由で今この時に顕現したのか。
そう言った意味での奇蹟じみた部分を問いかけるのは粋ではないと言うか。
もしかしたら、この後他のヒロインのルートでそれが伏線となっていくのか。
そう言ったことまでは判りませんでしたが、鴎と言う存在に対しての疑問点。
というのはこのルートをやってみた限りではあまりなかったのかなと思います。
病弱で、ゆえに母親の書いた物語を愛し、それをいつか現実にしたかった。
そう言った少女の意志を、同じ様に過去に物語を愛した羽依里が受け継ぐ。
そして完成したそれを同じ様な世界中の子たちに伝えることで鴎の望みを叶える。
そうする事こそが、鴎という存在を人の心に残す方法でもあったのかな、と。

そう言えば紬ルートでは途中で一切描写がなくなったうみちゃんでしたが。
この鴎ルートでは途中で、島から帰ったと言う描写が鏡子さんから伝えられてました。
うみちゃんから羽依里に対して特に最後に言葉があったとかはありませんでしたが…。
いや、なんて言うか明らかに重要なポジっぽいのに今の所その片鱗がない。
ってのはもやもや! っとする所ではありますし、先が楽しみな部分でもあるのかなと。
なにせ未だに鏡子さん自身、ばーちゃん、遺品の残った蔵、うみちゃんは謎ですからね…。

後鴎も可愛かったです。
こういう子が幼馴染だったら、って思う感じの女の子でしたね。
当人としては色々あって演じてた部分と言うのも少なからずあるようですが。
きっと、羽依里なら少年少女の頃に出会っても仲良くなれたんじゃないかな、とか。

と言う訳で二人目の鴎ルートも終わりました。
続いてなんとなく初見で一番可愛いと思った蒼ルートへ行きたいと思います。
そもそもしろはルートは最後にやる、と言う前提で進めてますしね。

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