Summer Pockets Pocket。

Summer Pockets

最後のルートが終わりました。
ALKA TALE終わったらそりゃPocketルートはじめちゃうよね。
はじめちゃったらそりゃ終わりまで読んじゃうよね。
って感じですよね…。

はー…終わってしまいました。
正直良かったです、やっぱKeyのゲーム好きだなと思いました。
何よりやっぱりしろはが愛しくて愛しくて仕方ない…。
可愛いとかそう言う部分を、ゲームやってると突き抜けてしまう。
だからこそしろはの感情が強く現れるシーンはくるものがある…。

と言う訳で最後のルート、Pocket。
大雑把に言うと、ALKA TALEでループを止める事が難しいと悟った後のルート、かな?
観測することでまた同じループが繰り返されるのなら遠い所で旅立ってしまおう。
という事だった気がしますが、色々あってループしている夏よりも更に前。
しろはが異能を持つ更に前に戻って、その原因を絶とう、というコンセプト。

ここで語られるのはしろはの子供時代です。
両親を失ったしろはの前に、七海という同じ年齢の子供として顕現します。
記憶はなく、何をしたら良いのかも最初は何も判らないけれど。
両親を失った直後のしろはと、七海が少しずつ仲良くなって行く。
そのきっかけを作ったのは料理…チャーハンでした。
小鳩(じーちゃん)は料理に疎く、漁で得た魚しか出すことが出来ない。
そこに現れた記憶喪失の七海が料理を…チャーハンを作ったことで、
しろはが両親の残したチャーハンのレシピを再現する為に行動しはじめる感じです。
なぜ、ここでチャーハンなのか。
ま、良く考えるとこの作品、何度も何度もチャーハン出てきましたよね。
うみちゃんが作ったチャーハン、しろはが作ったチャーハン、羽依里が作ったチャーハン。
そしてそれらのルーツは全て、しろはの両親のチャーハンにあった、という事です。

と言う訳でチャーハンを再現しようとした二人はなんだかんだで夏を楽しみます。
夏を楽しむ、というキーワードが大切で、それこそが鳴瀬家の異能の発現を防ぐ方法。
実の所小鳩(じーちゃん)は朧げながら鳴瀬家の異能について知ってるんですよね。
ただ、その異能は鳴瀬家の女性にしか発現しないから知識として持ってるだけ。
なのでじーちゃんがしろはに…しろはの母親に何かをしてやれるわけではなかった。
と言うのは判りますが、結果的に両親のチャーハンを作ったしろはは思い出してしまいます。
おとーさんと居たかった、おかーさんと居たかった…二人が居た時に戻ればいいのに。
つまり夏を楽しむというのは、過去の悲しいことを忘れて次にむかえという事であり、
逆に言えば悲しいことを思い出して限界が来ると能力が発現してしまうという事ですね。

そんなわけで悲しさが限界突破して能力を使おうとするしろはですが。
ここで七海が、この世界に留まれている力(色んな楽しい記憶)をしろはに分け与えます。
その力で、この先しろはにとって楽しい夏が訪れる、だから今過去に戻らなくても良い…。
そう伝え、記憶を分け与えたことで七海は消える事を選択するわけですが…。
この時にしろはが気づいてしまうわけですね、七海がうみちゃんである事に。
勿論、この時間軸のしろはがうみちゃんの事を知っているわけはないんですが。
しろはの肩に止まった一匹の蝶…きっとその七影蝶が全てを教えたんでしょうね。
そして当然ですが、もしもしろはがこの時に過去に戻る能力を得なかった場合、
その未来にはうみちゃんと絆が結ばれることがないという事も理解してしまうんですよね。
だってそうなるわけですよね、羽依里と出会って、恋をして、うみちゃんを授かった。
それはあの永遠と続くループの中の話で、それはしろはが能力を持ってしまったから。
ゆえに、ここで過去に戻る能力を断ち切ったとするならば…。

ま、要はそれがここがしろはが身を切るように叫んだ部分です。
自分が能力を得ない事で未来は変わるかもしれない。
でも、そうする事で自分が授かる子を失ってしまう。
本来ならもちろんしろはが知り得る事はない部分だと思います。
でも、しろははその先を、あの夏を延々繰り返した理由を知ってるんですよね。
あの夏、楽しかったのは七海…うみちゃんが居てくれたから。
でもそれはしろはが過去を思い、鳴瀬家の能力を得たから生まれた未来で。
ここでそれを断ち切る事は、自分で最愛の娘を殺してしまう事に等しいわけですよね。
加えて自分が愛した人…羽依里と出会う未来も変わってしまう。
いや、まあ何ていうかとても重い決断という他ないですよね。
ただ、それをやってほしいと言っているのが当の自分の娘で。
全てしろはを助けたいから、しろはを死ぬ運命から解き放ちたいから。
と言うのは…とてつもない親と子の愛という他ないのかもしれません。
しろははうみちゃんの事を想い、うみちゃんはしろは…お母さんの事を想い。
このあたり若干羽依里の事がカットされてますが、やはり母と子の絆は強いですもんね。

正直ここのしろはは悲しくて、でも好きでした。
だからここで、未来のしろはが重なってうみちゃんに応えるシーン。
とても良かったです。
としか言えないんですが。

と言う訳でその後、異能を獲得しなかった世界線がスタートします。
やがて羽依里が鳥白島を訪れて、同じ様に加藤家に居候するわけですが。
異能を獲得せずぼっちではなかったしろはとは深く関わり合うことはなく。
食堂で一度チャーハンをごちそうになった以外は蔵の整理をしていくわけですが。
何度も繰り返したあの夏には一度も整理することが叶わなかった蔵。
鏡子さんは思い出を一旦預けておく場所、みたいに羽依里に説明するんですよね。
初めてあの夏に来た時には確か言わなかったセリフだと思いますが、
もうここまで来たら鏡子さんが全てを理解してる事がなんとなく判りますよね。
羽依里のばーちゃんの蔵に集まった思い出…記憶…それをポケットと比喩してたり。
正直、一番このゲームで謎が深い人物だったのかな、という気がしますが、
全ては何というかしろはの母親である瞳さんが鏡子さんに託してたのかな、と。
どういう理屈かは判りませんが、この蔵に羽依里を案内する事。
それがこの先の一歩に繋がることをはじめから知ってたわけですもんね。
そんな蔵を秩序だって整理した結果、蔵の中で何故か見つけた紙飛行機。
その紙飛行機を飛ばして何かを感じ取った羽依里は、何かをしなきゃ!
という衝動に駆られて、本来なら鳥白島を去る日に、
あろう事か美味しかったチャーハンの作り方を教えてもらおうとやっぱり島に戻るんですよ。
この辺はね、正直何ていうか理屈とか動機とか割とどうでも良いのかなと思います。
ただ、羽依里が紙飛行機を飛ばしたことで一歩前に進もうと思った結果というか。
そしてまた、それを思い立たせたのはしろはにごちそうになったチャーハンで。
最初から最後までチャーハンチャーハンチャーハン! って感じでしたが。
でもそのチャーハンを食堂でしろはから食べさせてもらえたのは、
うみちゃんが自分を消してまで子供の頃のしろはと出会ったからで…。
出会って、楽しい夏にしようと両親のチャーハンを再現しようとしたからで。
つまりね、その一歩のおかげで羽依里はまたしろはに出会うんですよ。
いや、俺ももう何書いてるのかちょっと良く判んないんですけど。
この物語はそうして、しろはとの縁がなくなったはずの羽依里が、
チャーハンという縁でしろはにまた出会う所までが描かれてました。
なのでその先の未来がどうなるのか、と言うのは野暮な話かもしれません。
そこから先は、あの夏という籠から抜けた先の未来が待ってるという事なので。
それでもしろはとまた出会った、その先にうみちゃんが居ることを祈らざるを得ません。

うーんなんか色々書きましたが、考察とかそう言うものにはなりませんでしたね。
でもまあ面白かったという事が伝われば良いんですけども…。
最後、島から帰る日に羽依里が行動を起こした。
って言うのはある意味ではその夏を抜け出したことのメタファーですかね。
とにもかくにもこの作品の感想については色々人によって想う所も変わりそうで。
この最後についても、ハッピーエンドだったというわけではないですしね。
それでも、こうしてまた出会った二人の先に新しい未来が待っているんだろうな。
そう思える終わり方だった、と言うのが一番良かった部分かなと思います。

と言う訳で良く分からない長文になってしまいましたが。
正直、個人的にはかなり好きというか良かった作品だと思います。
色々とこれまでの作品と類似してる点というものもありますが。
それはそれ、これはこれ…それらを踏襲して話を読むのが良いと思いますしね。
何よりもーしろはが可愛い愛しい可愛い! それで良いんじゃないですかね。
しろはとうみちゃん、そして羽依里が寄り添ってるイメージが浮かぶ。
それだけでやった意味はあるんじゃないかなって思う作品でした。
正直な感想としてですが、面白かったので満足しました。

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