Summer Pockets ALKA TALE。

Summer Pockets

しにたい…ぐえー…。
CLANNAD終わらせた時と同じ感覚に今俺は襲われている…。

取り急ぎ、ALKAルート終わらせました。
エンディング? のレコードでは、ALKA TALEとなってましたが…。
スタートする時はALKA、というタイトルでスタートするのでどういう違いが?
って感じですが、多分このALKA TALEにもしっかりと意味はあると思います。

そんなわけでALKA TALEですが。
大まかに言えば、しろはルートであるのと同時に、羽依里ルートでもありました。
ま、それらを総合してうみルートでも良いのかな、という感じではありますが。
ルートの大きな概要としては、しろはルートを拡張した感じと言えなくもないです。
基本的な流れとしては、羽依里としろはが仲良くなっていくルートですからね。
ただし、その先にあるものと、そうなった理由とが少しずつ違って来てました。
それが今作の最大のポイントである、うみちゃんの存在。

なるほど、うみちゃんの存在の重要性の片鱗はあったと思いますし、
時折、羽依里の事をおとーさん的な感じで見てた理由も良く判りました…。
加えて途中からそうなるんだろうな、と気づきますがやっぱりこういうのには弱い。
特にうみちゃんが日を重ねるごとに、少しずつ幼児化していく理由…。
とともに、羽依里としろはの記憶からうみちゃんが失われていく所ね。

何ていうのかな、判っていても辛い。
羽依里としろはとうみちゃんが、うみちゃんの希望で始めた家族ごっこだったとしても。
途中からもう本当に、ただの母娘のようにしか見えないぐらいの関係になって。
羽依里がしろはを、うみちゃんを愛おしく感じるのが伝わって来て。
もちろんしろはが羽依里やうみちゃんを愛おしく感じるのが伝わって来て。
だからその3人から少しずつ、うみちゃんが欠けていくのが凄く辛いルート。
しかもそれで終わらない、その事が判ると言うのもまた辛い。
何ていうか二重にも、三重にも辛いルートと言えるのかなと。

とりあえず結果的に救いがあったのかは良く分からないエンディングでした。
なぜならうみちゃんが欠けた後、恋人となり結婚した二人が子供を授かり。
そこでしろはが自分の命と引き換えに子供…判ると思いますがうみちゃんを産む…。
そこまでしかこのルートでは判らない終わり方だからです。
ゆえに、このルートでも本当の意味での救いには至っていない。
そんな感じで、だからこそこの3人がそこへ至る理由が判る感じですね。

とりあえず判った事としては、うみちゃんは意識(と肉体)を過去に戻せる。
つまりうみちゃんはループしている存在で、だから魔法の絵日記を描く事が出来た。
魔法の絵日記に描かれた事が未来に起こるのではなく、
起こった未来を知っているから、絵日記に記すことが出来た。
羽依里やしろは、それに島の仲間たちが次の日の絵日記を実現させよう!
と言う感じで、絵日記を元に一つ一つ叶えていってあげてる…様に見えるわけですが。
ここらへんは卵が先なのか鶏が先なのか、考えてもどうする事も出来ませんが、
結果的には魔法の絵日記と同じ次の日が来る…と言う事になるんですよね。
ただ、うみちゃんが過去に逃避をしようとした世界軸では、
当然ですがうみちゃんはこの時間軸に居るわけではありませんからね。
うみちゃんが、夏休みに皆でやりたかった事、そしてこのルートでやれた事。
と言う意味と言うのはあって、その辺りはごちゃっとしてて難しい所ですよね。
何度もループしている夏の中から、ひとつずつ集めたものなのかもしれない。
と思うと、何というか判っててもその辛さが判るようなそんな。

その上でうみちゃんが望んだことは、羽依里としろは、そしてうみちゃん。
自分を含めて3人で「家族」と言うものを構成する事なわけですが…。
それが何故なのか、と言うのが一番大きなポイントでもあるわけですよね。
つまり、そこにしろは…と言うよりも単純に”おかあさん”の存在が掛かってくるわけです。
未来でのうみちゃんは、しろはの命と引き換えに産まれてくる…と言えば判るかな。
うみちゃん自身が、要するに”おかあさん”と言うものに触れたことがない。
加えて最愛の人をうみちゃんと引き換えに失った羽依里が取った行動は…。
この辺りは正直な話、言われてるようにCLANNAD AFTERととても被ってます。
家族を形成出来なかった、そんな羽依里は”おとーさん”として機能しなくなるんですよね。
まだCLANNADでは、早苗さんや秋生さんが居た事が汐にとっての救いでしたが…。
このルートだとそう言う描写もなく、うみちゃんは一人耐えるしかなかったんですよね。
羽依里の両親は存命の筈ですが、羽依里が起こした事件によってすでにバラバラだった…。
と言う可能性もありますが、まあそんな事はともかくとして羽依里のしろはを失った感情。
それにさらされたまま、何年も耐え続けて…そしてとうとう耐えきれなくなってしまうんですね。
で、耐えきれなくなったうみちゃんは、意識と肉体を過去に飛ばしてしまうわけです。
それがつまり、羽依里が鳥日島に訪れた…しろはと出合う前の時間軸。

そしてそこからうみちゃんは何度もその”夏休み”をループします。
それがこのゲームでは、紬ルート、鴎ルート、蒼ルート…そしてしろはルート。
要するにそれら全てのルートは、幾つもある未来の一つ一つなんですよね。
少し違えば出会いも違う、それがそう言ったルートを生み出してたと言うか。
良く判らないのは、もしそうだった場合、しろは以外のルートでのループとは…?
と言う所かなとは思うんですが、その辺りは自分が知らない父親を知るって所ですかね。
本来、うみちゃんが知る羽依里は、しろはを失って希望もやる気もなく項垂れる父親で…。
でも過去に戻って見てきた羽依里は、紬とともに歌い、鴎とともに冒険をし、蒼を助け…。
そしてしろはを、ぼっち…もとい優しさから出る拒絶から救う、優しい人という事を知る。
だからそうして、ヒロインのルートをクリアするたびに羽依里に懐いて行くって事ですね。

ただしうみちゃんのループにも代償はありました。
過去に戻るたびに少しずつ幼児化していく…これがルートをクリアする度に出る違和感の一つ。
最初はしっかりと喋っていたうみちゃんが、一人、二人クリアするごとに幼児化していって。
しろはルート…と言うよりもこのALKA TALEルートではもはや赤ちゃんの様になってしまいます。
でも、逆に心が幼くなっていくからこそ、自然と羽依里としろはに甘える事が出来てた。
と言う側面もあるんですよね、多分…最初のうみちゃんはどこか達観して遠慮してましたし。
結果的に良かったのか悪かったのか、子供に戻っていくうみちゃんは二人に甘えて。
甘えるからこそ、二人にも家族…父親や母親であると言う意識が芽生えるわけですよね。
だからこそ、だからこそですよ、その二人の記憶からうみちゃんが欠けていく。
そんな怖くて悲しい事が…って思っちゃうんですよね、ここの辺りの描写は。
確かに、このうみちゃんは羽依里としろはが産んだうみちゃんではないかもしれません。
それでも、紬に教えてもらった歌を一緒に歌い、鴎に紡いでもらった絵本を読み、
蒼に教えてもらって虫取りをして…そしてしろはと一緒に過ごした日々があって…。
本当にそこには家族としての絆、みたいなものが生まれてたんですよね…。

後ここ、他のルートでのヒロインがしっかり絡んでるのは良かったです。
あ、勿論良一や天膳やのきみもですが、それ以上に他のヒロインのルートのキー。
紬の歌や鴎の絵本(冒険)、蒼の行動力がこのルートで描写されていってて。
ああ…この物語で羽依里が得たものがしっかりとあるんだな、と言うのが判る。
そう言う描写に、しっかりと他のキャラ達を使ってるのはとても良かったです。

しかしその先にある絶望もまたとても辛い。
現実の肉体を失ったうみちゃんは、ただ世界を観測する存在になってしまいますが。
それでも世界は続いており、羽依里としろはは恋人になり、結婚し、子供を身籠ります。
しかし身籠ったしろはは、そこで元々の自分の力、未来を見る力をふいに発動させてしまいます…。
そう、自分の未来ではなく、他人の未来を見る能力でうみちゃんの未来を見てしまうんですよね。
聡い人ならそれで判ると思いますが、うみちゃんの未来には自分が居ないんですよね。
それがどういう事か、そんなものは考えずとも簡単に判ります。
つまり、うみちゃんが産まれ育つ時に自分はそこに居ない…死んでいる運命なのだ、と。

だからしろはは身重のまま、未来を変える方法を一人模索しはじめます。
なぜ、ここであの時と同じ様に羽依里に相談出来なかったのか…。
それは神のみぞ知ると言う所ですが、それは言っても仕方のない事かもしれません。
描写があったか覚えてませんが、うみちゃんが消えた後羽依里の記憶も朧げになってて。
夏鳥の儀の、しろはの見た未来を変える事が出来た事を羽依里が覚えているのかも謎ですが。
しろはの気持ちはともかくとして、しろはは一人で古文書やらをあたるわけですね。
それは気の遠くなる作業で、しかもやってくる期限は既に決まっているわけで。
焦燥感やそれらもあったんでしょうが、結局しろははうみちゃんを産んで死んでしまいます。
観測をする事だけが可能になったうみちゃんは、それを見てしまうわけですね。
自分のために、辛い思いをして、結果命を落とした…という結果を。
しかも自分が過去にループしなかった世界でもそうなってしまう結果を。
で、うみちゃんは最後、自分がその結果を観測しているからそうなるのでは?
勿論何度も何度も見てきたからうみちゃんの心が弱っていたのもあると思いますが、
そこでうみちゃんは気づいてしまうわけですね、しろはもまた自分と同じなのではないかと。
つまり、しろはの能力も未来を見ているのではなく、過去に戻ってきている。
そうしてまた、過去に戻って同じ未来へと進んでいるのではないかと…。
だからもし自分が観測しなければもしかしたら違う未来があるのではないか。
そう思ったうみちゃんは、結果的に観測をやめる事にしてしまう…。
と言う所までが、このALKA TALEと言うルートでのお話になってました。

んー、文章にすると結構複雑なようなそうでもないような。
感想書いてて自分も本当にこうなのかな、と思う部分も幾つかありますが…。
要は肝としてはしろはが持っていたのは未来を見る力ではないという事。
未来を見る力ではなく、過去に戻る力が結果として未来を見る事と同義な事。
そしてうみちゃんもしろはも、同じ様にその力さえなければと思ってしまう事。
だから過去に戻るたび、観測する度に同じ夏と結果を永遠にループしてしまう…。
と言う感じなのかなと…だから最後にうみちゃんは観測を止めて飛び立つんだと思いますが。
何ていうかこのあたりはループというか二重螺旋になってる感じですよね。
うみちゃんが観測をやめた事で得られる結果はここでは描かれていませんでした。

家族模様的な意味ではCLANNADと似てる所は多いですよね。
あれも家族を描く物語だったのもありますが、残された父と娘とか…。
でも本当に、愛する人を失ったらそうなってしまうのかもしれません。
つまり、それだけその人を愛する力が強かったとも言えると思いますし、
その反動がどれほどのものなのか…と言う事が描かれてる所は共通点だと思います。
個別ルートにしても、AirやKanonと言った作品のオマージュとも取れる点は多いですし、
ある意味ではこのSummer Poketsがそれら全てのセルフオマージュとも言えるのかなと。

いや、しかし本当に何ていうか死にたい気持ちになりますね。
CLANNADやり終わった時も似たような感覚になった記憶がありますけど。
良い意味でも悪い意味でも死にたくなる…そんな感じですよ。

ただ、何よりもしろはが可愛くて愛おしく感じますよね。
このシーンのしろはが可愛くて可愛くて仕方なかったです。
ただ幸せな家庭を作る、それだけで良かったのに…。

と言う訳でALKA TALEルートを終えました。
しろはルートの何倍もしろはが好きになる、そんなルートでした。
もちろん、島の仲間たちも好きになる、そんな物語でした。
ただし今の所救いはないと思います…羽依里も、しろはも、うみちゃんも。

で、このALKA TALEルートが終わるとタイトル画面がまた変わります。
ウユニ湖みたいに、水平線を真ん中に挟んで海が雲と空を移す青いタイトルに。
でもってALKA、があった場所にはPoketsと言う新たなルートが出現してました。
ま、おそらくここまでのシナリオを総括するルートなんだとは思いますが。
ただ一つ願うことは、この三人が幸せになって欲しいという事だけですよ…。

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