劇場版SHIROBAKO。

日曜日に映画館行ってみてきました。
正直コロナの問題もあったのでどうかな、とは思ったんですが…。
俺も来週以降ちょっと忙しい&ツレも今週じゃないと忙しい、って感じだったので。
元々上映開始したら見に行こうぜ、と言うのは前々から言ってましたからね。

さて、劇場版SHIROBAKOですが。
まあ、方方で言われてるように、アニメの焼き直し感。
それと、業界人からみたらなんてぬるい…みたいなのはあったのかなと思います。
後者に関してはそもそもアニメの時点で作り話なのでそんなに言うほどか…?
って感じで、なんか妙に過剰反応してる方が見かけられるなーって思ってましたが。
今回も同じで、いわゆる作品が頓挫する、宮森が頑張る、スタッフが集まって一丸となる…。
と言う部分に関して、そんな事ありえねーみたいな感想はちらほら見かけましたね。
いや、これ作り話なんす、ついでにそう言う感想の人も何かを作ってるだろうし。
だったらばこそ、それ以上の過酷な環境で作ってきたと言うのもわかるんですが、
それをそのまま物語にして果たして面白いのかってのもご自分でご理解出来るのでは、と。
とまあ、そんな感じの部分は正直アニメでも言われてたことですしね。
それを指して温い、と言われると世の中の物語の大半はそんなようなもんですよ。
作り話として、ある程度アニメ制作業界の雰囲気が伝わればいいと思いますし、
大前提になりますけどこれって別にアニメ業界のための就職啓蒙作品じゃないですよねw
それを踏まえた上でですが、個人的には多少駆け足なのは気になりました。
正直、物語としては駆け足なのに、妙にキッズ・アニメ調のミュージカルが多いのが…。
あれはあれで、TVアニメとしてはそう言う尺があっても良いと思いますし、
元々みゃーもりの深層心理的な部分やメタ的な表現の一つなのである事は良いんですが。
そこが長くて、それ以外の部分が短い、となるとやっぱりちょっとって思う所はありますね。
それ自体が面白くないというわけではないのであしからずですが。
後、この手の作品において重要なのはそれ以上に面白そうな作中作を匂わせてほしいって事ですね。
ある意味それも表現的なものなので、本当に面白い必要があるかどうかは微妙な所ですが、
武蔵野アニメーションのスタッフが色々あって散り散りになって、そこから一つのものを作るために集まる。
そう言う過程がSHIROBAKOってのは大事なので、その先にあるクリエイトが面白そうか否か。
これって割と大事なんじゃないかなぁ…と言う気はします。
サンジョはそう言う意味では面白そうな雰囲気はありましたし。
別にSHIROBAKOに限りませんけどね、作中作を扱う作品全てに言えることですが。
特にこの作品においてはそこが重要なのかなぁ、と言うのが俺の個人的な意見です。
なんでかって、面白いと思うものを全力で作るのがメインテーマでしょ、って話。
それ以外の部分に関してはキャラクター性が強いので。
みゃーもり達5人が、それぞれ自分の出来ることをアニメから更に磨いて。
それが周りの人たちにも波及して、師匠と呼べる人たちをも巻き込んで。
ブラックな予定や契約を突っぱねて、みんなが満足出来るものを作り上げる。
そのカタルシスがSHIROBAKOはTVアニメ版からしっかりあったと思ってます。
ただ、今回に関して言えばTVアニメ版でキャラクター性がある程度描かれてる分、
それぞれの人物像に対する描写が薄め…淡白だったかなと思ってます。
ぶっちゃけ5人が主ではあるんですが、それだけでは制作は出来なくて。
3Dの遠藤さんやアートの渥美さんや…まあ挙げるとキリがありませんけど。
そういった人たちが、己の領分に対しての思いや技術を発揮していく的なね。
多分、今回の劇場版でそれが描かれてたのは少数に絞られてたんじゃないかな、って。
って言うか、これ一番思ったことなんですけど。
遠藤さんの奥さんがめちゃくちゃ可愛くて嫉妬SHITシット! って感じなんですけど!
武蔵野アニメーションの最後のアニメを作れなかったことに不貞腐れて腹を立てて、
技術があるのにそれを活かそうともせず日々を送ってた遠藤さんを見ててね。
それでも、パート先に遠藤さんが迎えに来たことをただただ嬉しい、良いことがあったと言える。
なんつー…いや…ある意味技術人の嫁の極地にある姿なのかもしれませんけどね。
それはさ、やっぱり遠藤さんの技術や情熱、思いをちゃんと知ってるからなんだろうなぁ、って…。
主役の5人に関しては成長してた部分もあり、そのままだった部分もあり。
ずかちゃんなんかは先生の言葉でもう一つ先へ行けたのが描かれてたのは良かったです。
強いて言えばタイヤちゃんは、あの後最初に喧嘩した男性スタッフも気にかけてあげて欲しかった…。
あいつが居なきゃ、もうひとりの女の子が爆破(だったか)が上手い事に気づかなかったわけだし。
そう言うふうに、適所があるということをもっとしっかりと理解して頑張ってほしかったな、って。
だってそうでしょ、自分もタイヤばっかり作らされる事に嫌気がさしてたわけですし。
それってつまり、もっと他に自分が得意な分野がある、やりたい分野がある。
って事で、それは男性スタッフ自体もそうだったかもしれませんからね。
全然関係なく、ただの怠け者だったかもしれませんけど。
後は太郎と平岡のコンビも良かったです。
あれはでも、TVアニメ版の平岡の心情の暴露吐露があるからこそですけどね。
後々りーちゃんをちゃんと認めてるのもね…言いあったからこそってのはありますよね。
ま、太郎にしてもTVアニメ版だとほんと余計なことしかしねーなって感じでしたけど…。
でも太郎って平岡の救いでもあったので、その結果が今につながってると考えるとね。
と言う訳で面白かったかどうかで言えば十分面白かったですよ!
着地点までの過程は、想像できた以上のものではなかったのは残念ですが…。
そこは正直、ものすごく細かい葛藤なんかまで描写すると尺足りないと思いますしね。
矢野さんとか、ゴスロリ様とか…まあ他のキャラも含めてもっと描いて欲しかったとも思いますが、
最後まで見てみるとまあこれで良かったのかな、とも思うので難しい所でした。
しかし、これSHIROBAKO的にはここで終わりなんですかね?
途中で平岡が言ってたように、5人が作りたいものを作る、と言う最古のテーマね。
それがこの劇場版ですらかなったわけではないので…そこへ到達するのかなぁ、と。
まあ、それが難しいこと自体は判りますし、仮にそこを描くと蛇足なのかもしれませんけど。
学生の頃作りたかったものを本当に作れたクリエイターなんて数えるほどだと思いますしね…。
ある意味ではそれもこの作品の題材の一つになってる気もしますし。
劇場版としての締めとしてはまあまあ良かったかなと思いました。
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