・HERO -逆境の闘牌- (1) 著:前田治郎 協力:福本伸行
福本漫画のアカギ…というよりは天からのスピンオフ。
天の主人公と同じ陣で、東西戦を戦い抜いた一人。
ヒロ、のその後を描くスピンオフ漫画。
表紙はいくらか成長したようなヒロと、老いたアカギ、それと天。
ヒロの後ろに二人が描かれてると少々感慨深いものはあるね。
というわけで、なんか最近流行り? のスピンオフ漫画。
ワシズ様もスピンオフされてたしな…最近の流行なんじゃないかと思う。
他の麻雀漫画でも、結構キャラ個人にスポットライトあてて続けたり、
そのキャラクターの過去を描いたり…と、まあファンにとっては嬉しいよね!
って言う感じの麻雀漫画が増えてきて、個人的には喜ばしくはある。
その漫画自体が好きだと、こういうのを読むのも面白いよね。
ただ、この漫画もそうだけど別の人が描いてる事がある…。
と言う点には、スピンオフ漫画ってのは注意しておかないとダメかもねー。
やっぱり本人が描くそのキャラクターとは違う所があったりするし、
勿論作者は似せ様、って思って描いてるけど細かい違いは有るんだよね。
そういう部分を容認しながら読めるかどうか、ってのは求められるかな。
実際キャラクターの性格が少しぐらい気になっても問題ないよ!
って人じゃないと、若干微妙な部分もあるんじゃないかと思う。
とまあそんな前置きはさておいて。
HEROは、天でのアカギの死後3年が経ってる時間軸の話。
その時間軸でのヒロが、アカギの言葉で目覚めて、
再び麻雀打ちとして駆け上がっていく…そんな感じのストーリーかな。
基本的にまず、東西戦を最後の最後まで打ち抜いてた雀士ではあるから、
元々非凡な麻雀打ちではあるのは天の時点で既にわかる所だけど。
それでもそれよりももっと上…アカギや原田、天を見続けてきたヒロにとって、
それら麻雀においてはもしかしたら神よりも上の存在と言う壁。
それをまざまざと見せ付けられた、そういう部分で天は終わってて。
それでも、アカギの死から3年後、再びその壁に立ち向かう。
話的にはそういう部分が描かれる事になるんじゃないかなぁ…と。
ちなみに天の時よりもヒロが大分活発な性格になってるかな。
凡その性格は同じだけど、もう少し自信がついたというか…。
自信がついたヒロは確かにこんな感じなのかもなぁ、という感じ。
まあ、その微妙な部分が天でのヒロの持ち味でもあった気はするけど。
そこを克服する事が、要するに天やアカギへと続く道でもあるわけで…。
アカギの死から3年経って、やっとそれに目覚め始めた、と言う感じ。
というわけで1巻の大半はまず存在する超えるべき壁。
つまり天にヒロが挑む所が、1巻を費やして描かれてました。
まあ、ここで思えるのはやはり天の強さと言う部分かなぁ…。
破天荒な考え、思考でヒロよりも数歩先を悠々と歩いているというか。
そういう部分が非常に強く描かれてたんじゃないかと。
ただし、それにヒロが追いつく部分もきちんと描かれてた。
まあ…最後の最後の部分がぼかされてたけど、それは今決着をつける事ではなく。
新しい話への繋がりの一つだったので、うやむやだけどそれほど悪くない。
そんな終わり方だったんじゃないかなーと。
後新たにヒロにつけられた字は神眼。
動作の一つ一つや牌の動き、捨て牌やツモ切りから全てを読む。
そういう読みの鋭さを研いで境地に至った、というのが面白い。
天の世代からヒロの読みの鋭さってのは端々で語られてたからね。
それがきちんと描かれて、活かされてるって言うのは良かったかなー。
まあ、逆にそれのせいで深読みしすぎて、天では原田に引っ掛けられたり…。
と、要するに一枚上の人間だと手玉に取られる事もあったけど。
逆にそこを、ひたすら研いだのが今のヒロ…ってのは良かった。
というわけで1巻目はその天を越えるか否かの闘牌。
そしてその決着がうやむやなまま消えた天を探す、ってのが2巻目から。
最後の最後、読みきったかどうか…その答えを知る為に天を探す。
ここからヒロの、新しい物語が! って感じの締めくくりで中々良かったね。
しかも最後に出てきたのが、かのアカギと闘った事のある市川。
果たして本物なのかどうかはこの時点ではまだ謎だけど。
アカギに因縁のある打ち手がどんどん登場するのかなー。
その辺も含めて中々楽しみな漫画ではあった…。
ただまーやっぱ絵柄含めて福本ではないし。
その辺だけはやっぱ最初に、読む前に肝に銘じておかないとダメかもしれないね。
でも面白かったから、次の巻に期待しても良いかもしれない。
市川とヒロがどう絡むのか…その辺を期待したい。
ただ…キヨマロは…一体なんなんだよって感じだった…。