WHITE ALBUM2 -closing chapter- 雪菜。

四人目…というより、本命の小木曾雪菜ルートクリア。
まあ、なんていうかこの雪菜の為にこのゲームはあるわけだし。
そういう意味じゃ四人目と言うよりは、零人目…始まりと言う方が正しい。
って言う感じはしますね、実際にその通りなんじゃないかと思いますが。

と言う訳で、全体的にはかなり良かったと思います。
まあ…ic、3人のサブヒロインと言う土台があって、この雪菜ルートがあるわけで。
もしもそれで良くなりようがないと言うのなら、このゲームは何の為に存在したのか。
そういうレベルなので、特に良かったと論じる事が無意味ではあると思いますが。
それでも、やっぱり雪菜と春希が再び一緒になれた事。
その事自体を良かったと評するのは、間違ってないかな、と。

なんと言うか、色々な意味で深い話でした。
深いんだけど実は浅いというか…文章にするのは難しいけどそんな感じですよね。
春希も雪菜も、お互いがお互いの事を好きだという事は判りきってた事だし。
でも、お互いに封印されてる部分があるから、一緒になる事が出来なくて。
で、それをお互いにきちんと振り切った…って感じですかね。
いや、本当の所はお互い振り切れてないのかもしれないんですが。
少なくとも、雪菜が再び歌う事が出来た…と言うのは少し振り切ったから。
って事なんじゃないのかなー、っていう感じでした。

そんなわけで、基本的には春希も、雪菜も救われる。
そんなエンディングだった…と言う事は否定出来ないんですが、
ただこのルートを最後までやって、スタッフロールが流れて思う事は、
果たしてこれでよかったのか? かずさは? って事ですよね。
ぶっちゃけて言えば、このルートでもかずさは一度しか出てきていない。
しかも物語全く関係ない部分で春希とニアミスしている部分だけ。
つまる所、春希と雪菜はある意味救われたルートではあるんですが、
根本的な意味で言えば解決してない部分は残されたままでした。
だって、これだけかずさの事を(二人ともね)想ってるのに。
その張本人が出てこないままってどう言う事やねん、って事ですよね。

…と、考えてたらスタッフロール後に新章突入。
まあなんていうか、これで終わるわけはないだろうなーとは思ってましたがw
まだここから先のストーリーがきちんと、そしてかずさの出番もあるようでした。
なので、本質的な意味での三人の部分はそっちで見れると言う事で。
今回に関しては、それまでの…ccの感想と言う方向性になってます。

何にせよこのシナリオはここまででも十分良いものでした。
特に雪菜が歌えなくなってた事の理由、そしてまた歌えるようになった事。
春希がこれまでにケリをつけて雪菜を好きだと言い、もう一度ギターを始めた事。
やっぱり、どうしたってこの二人が上手く行くためには避けて通れない事実。
それを見ない振りは出来ないんだ、と言う事が上手く描かれてたと思います。
そしてそこへ行き着くためには、柳原朋の存在が欠かせなかったんじゃないかと。

実際、武也や依緒は良い友人ではあるんだと思いますが。
恐らく、この二人だけだったら、優しすぎて前には進んでませんよね。
二人も言ってた事ですが、恐らく最後までこの二人は見守ってくれる。
勿論春希と雪菜が上手く行くように、取り計らう事に努力を惜しまない。
けれど、あくまでもそれは本当に触れなければならなかった部分。
そこに蓋をしたまま、それをしようとしてるだけなんですよね。
でもそれ自体に対して、この二人を責める事ってのも出来ない。
なぜなら、この二人もまた、それに触れてはいけないと思ってるから。
だからこそ、外部でその禁忌に手を浸せるキャラクターが必要だったんですが、
その役回りを演じたのが、誰であろう軽音同好会を崩壊させた張本人。
柳原朋だった…と言うのが、ある種皮肉めいてて面白かった。

正直最初はこの柳原朋ってキャラに苛つくんですよね。
実際にこのゲームをやってると、読んでる側も武也や依緒に近いというか…。
だからこそ、その禁忌の箱を開けようとする柳原朋に苛つくというか。
あえて触れなくても解決できるのなら…って思いますよね、読んでる側も。
だから柳原朋って言うキャラクターが起こす行動に苛々する部分もあるけど、
でも最後まで読むと、柳原朋が居なかったら本当の意味での解決は無かった。
というのも判る上に、それで居て中々良いキャラだと言う事も判るんですよね。
実は千晶と同じ様に、あの時三人の音楽に感化されてしまった。
だからこそ、あの頃の雪菜でない、今の雪菜に嫌悪感を抱いた。
憧れだった天使の今の姿に耐えられなかった。
実はそんな純粋なキャラクターだったというのは良かったです。

それともう一つ良かったのは、春希が前に進むきっかけになったシーン。
そこに、きちんとサブヒロイン3人の面影があったのは非常に良かったです。
麻理が勇気をくれて、千晶が答えを教えてくれて、小春が道を示してくれたから。
だからこそ、春希が雪菜に対して”それでも好きだ”と言ったあのシーン。
個人的にこのシーンはこのルートでもかなりの名シーンだったなと思ってます。

何故かって言うと、3人のサブヒロインがきちんと扱われてる事。
3人のシナリオをやって来た事が、ここに繋がってるって言う感覚がするから。
もしも選択肢が少し違えば、春希はこの3人に傷を癒されてたかもしれない。
けれどこのルートではそうはならなかった…でも、3人はきちんと春希を想ってる。
立場は違うし、思惑も違う、それぞれ春希に抱いてたものも違うだろう。
でも、それでも春希という人間を思ってるからこそ、
春希に勇気を、春希に答えを、春希に道を与えられた。
そういう意味で、このシーンが凄く好きでした。

同時にこの3人の恋はここで同時に終わるわけですけどね。
だから本当の意味でこの3人も”届かない恋”という曲が似合うなぁ…って感じでした。
でも、やっぱりメインルートで蔑ろにされてないってのは大事だと思う。
個人的にはこういう風に、きちんと扱われてる方がシナリオ的に好み。
キャラ同士が相関もなく、何も無かったかのように扱われるよりは、
よっぽどこういう展開の方が良かったんじゃないかな…と。

で、ますますこの3人を好きになれました。
勿論、武也や依緒ももっと好きになれるけど、同じぐらいこの3人も良い。
そういう感情がもてるのは、やっぱり先に個別ルートがあるからだと思うし、
それを上手く使ってるシナリオ展開のさせ方ってのが凄いと思いますよ。

と言う訳で、closing chapter小木曾雪菜ルートは終了。
正直ここまでで終われるなら、春希と雪菜的にはもう言う事は無いと思うんですが。
残念ながら、それではかずさの物語が解決しない…と言う事で。
最終楽章、codaへと進んでくる事にします。
流石にcodaじゃ、サブヒロインは絡まないかなぁ?
その辺もちょっと楽しみではあったりするんですけども。
それ以上に、また雪菜とかずさ、そして春希で問題が発生するんだろうなぁ…。
と、考えるとちょっと重いですよね、色んな意味で…。

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