楽聖少女 2。

楽聖少女 2 著:杉井光

楽聖少女2 (電撃文庫)

さっくりと楽聖少女の2巻読み終わり。
ピアノを背景に、ゴシックなドレスで真剣な目のルゥが可愛い表紙。
やっぱりこういうゴシックな雰囲気は女の子が映えるから良いね。
勿論、キャラクターによりけりだっていうのはあるかもしれないけど。

1巻に引き続き、読み始めたら最後まで一気に読んでしまった。
相変わらず音楽知識や、音楽の歴史が盛りだくさんではあるんだけど…。
これも相変わらずだけど、それをあまり意識せずに読めるのは良い所だと思う。
今回は特に、魔弾の射手の作者、カール・マリア・フォン・ウェーバーがキーパーソン。
ナポレオンを討つ、その為に悪魔と契約したカールが大きく関わってくる話でした。

最初はこの展開、カール結構ヤバイ(フラグ立って)ね!?
って思ってたけど…良く良く考えたら確かにナポレオンと戦って命を落としたり、
討てなくとも魔弾を使い切って悪魔に契約の元命を取られたら、それこそね。
魔弾の射手と言うオペラが作られない事になってしまうもんな…。
逆にこれも作中のフラグだけど、死ぬわけがないよなって感じだったな。
作中のルールと言うか…メタ読み的な所があるけど。

後今回はユキの活躍…が結構あったので良かったと思うよ!
何だろうなー、前回は魔術と言ってもどちらかと言えば異能的な扱いだったけど。
今回は少しだけゲーテの知識を取り戻した上で、本来的な意味での魔術。
って言うものを行使してたのは、やっとゴシック・ファンタジーになってきたのかな!
って思える要素だったんじゃないかと思う、恥ずかしい文言だけど結構良かったよw

まあでも、ユキの魔法って基本は前の鉄腕みたいな方向性っぽいよね。
なんかマグス(魔術師)的な扱いだけど、こうどろどろした魔術ってイメージが薄いと言うか。
ナポレオンと同じで、なんかこうもっと物理的なイメージが強いってのはあるよね。
多分1巻でのパガニーニとの戦いのイメージが根強く残ってるんだと思うけど。

それからルゥはルゥで、本当に真っ直ぐ音に取り組むと言うか。
そのせいでナネッテと言う楽器職人をも巻き込んでしまう部分はあるけど。
結局の所、強い魅力を放ってるからこそ、そういう人が周りに寄ってくると言うか。
それでも結局最後は自分の力で音楽を作り上げなきゃいけない事を自覚すると言うか。
まあ、そういう部分があったかなぁ…その上でちょっと軟化した雰囲気があると言うか。
最後は結局自分が創らなきゃいけないけど、それを伝える事の大事さも知った感じで。
なんと言うか徐々にだけど、ただ1人で立つだけではなくなってる感じがするのは良い。

と言うかまあ、その辺もやっぱり鳴海とアリスに似てるよね。
確かにアリスもルゥも1人で立てる、それだけのものを持ってるんだろうけど。
そこに鳴海やユキみたいなキャラクターが混じる事でより確立すると言うか…。
その上で周りに居る人間をどんどん巻き込んでいく…そういう部分が見え隠れする。
今回で言えばその延長線上に、マリアが生き残って再度音楽を作り上げて行く事とか。
そういう部分が最終的に含まれてたんじゃないかな、と、読みながら思ってたし。

そのカールと、カール率いる楽団が中々良かったのも大きいねw
恐らく楽団員に関しては、ハイドン先生と同じでどちらかと言えばギャグよりだけど。
そうは言っても真摯な部分も描かれてたし、キャラクター的には良かったと思う。
まあ、楽団員は名前がないので、恐らくモブ扱いのままなだろうけど…。
そういう意味では某ルゥ親衛隊のかたがたの方が格が上なのかもしれない。
あの人らもキャラクター的には立ってるからな…キャラクター的には。

と言う訳でまあ、今回はそれらに加えて。
やっとユキが少しずつだけど、この世界で歩く事をはじめたってのが大きいのかも。
勿論、時を止めてしまう可能性だってまだ消えたわけではないんだろうけど…。
それでも、歩いていかなきゃいけない、そこにやっと辿り着いたと言うかね。
ある意味ではこの作品はユキのための物語と言うか、ユキが語る物語なんだし。
その本人が進まないと意味がないからな…そういう意味ではやっと進んだかー。
って感じのストーリーではあったので、これからが更に楽しみな感じで。

後はルゥが可愛いので。
ほんと神メモでアリスが好きな人は是非って感じですかね!
昨今暴力タイプのヒロインが多いし、ルゥやアリスもその気はあるけど…。
この二人って、何ていうかドカっ! って感じじゃなくてぽかぽか! って感じだし。
そういう所がやっぱ可愛いのかなーと言うのはあるんじゃないかと…。
つまる所ルゥが可愛ければそれだけでも十分だと言う事なんですが。
ま、それに加えてストーリーも良いならそれが一番ですよね!

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