劇場版 Steins;Gate 負荷領域のデジャヴ。

と言うわけで、先週末(公開日初日)に見て来た感想です。
いつ見に行っても良かったんですが、友人全員の時間がちょうど取れたので。
ただ、残念な事に三重では初日から公開してる映画館も無ければ、
順次公開する映画館も無いと言う不具合が発生してましてですね…。
結局仕方なく、名古屋のTOHOシネマズベイシティまで行って来ました。
当日の一番最後のレイトショーでしたが、客入りは十分って感じでしたね。
レイトショー(確か22:50スタート)でこれだけお客居るなら、お昼からはもっと。
って感じで…ちなみに映画上映後に白衣来て写メ撮ってる人も居ました。

と言うわけで、劇場版Steins;Gate、負荷領域のデジャヴ。
とにかく先に言えるのは、S;Gファンなら一も二も無くとりあえず見ておこう!
って事ですかねー…正直アニメ版(ゲーム版)で綺麗に終了してたわけだし。
それ以上何を描く事があるのかなぁ…って言うのは見る前に思ってたんですが。
いやー以外や以外、アニメ版(ゲーム版)の前提を崩す事ないストーリーで展開されてて。
当たり前っちゃ当たり前ですが、しっかり続編として視聴する事が出来る作りでした。

特に今回は助手視点…って感じですかね。
助手視点と言うよりは、全体的に助手の為のストーリーとでも言えば良いのか…。
確実に中核に据えられてたのは助手で…そういう意味で助手の為の作品と言うか。
なんていうか助手と岡部の関係性を補強する為のシナリオだったとでも言えば良いのか。
まあ、アニメ版と言うか本編も助手の為のシナリオではあるんですけども…。
今回はクリスが自分の気持ちにしっかり向き合う、ってのが大きかったのかなと。

何だろう、岡部が本編で何度も味わったあの絶望と言うか…。
何度過去をやり直してもやり直しても、同じ結果に行き着いてしまうその悲しみと言うか。
これまではそれは岡部本人しか知らなかった、体験してなかった部分があって。
やっぱりどうしてもそこに、岡部と紅莉栖の壁…と言うか意識の差っていうのはあって。
今回は紅莉栖が思いがけず、その片鱗を味わう事で岡部に近づく部分があると言うか。
それでも勿論それは岡部が味わってきたものの何十分の一、何百分の一に過ぎないんだけど。
だから岡部が捜し求めた世界線、それがどれだけのものだったのかを、紅莉栖も理解すると言うか。
そういう部分が劇場版をまるまる一本通して描かれてたのかなと思います。

何より岡部が居なくなったラボ。
その違和感の凄さもあるし、ダルやまゆりが岡部の事を忘却してしまう怖さ。
岡部だけがその世界軸から消失してしまう、その恐怖ってのが物凄い。
だから紅莉栖は鈴羽のヒントを頼りにタイムリープマシンを再度作って…。
過去を改変する事で、岡部をまたこの世界線に引き戻そうとする。
って言うのが今回の劇場版で描かれてた事の中核ですかね。

ただ、岡部はそんな紅莉栖に対して、過去を改変するな、と言う。
…これはほんと、本編と言うか岡部の立場になってみないと理解出来ないんだけど、
過去を何百回何千回とやり直して、その度にまゆりや紅莉栖や誰かが死んで。
絶望に絶望を重ねて、精神が崩壊しそうになりながらもわずかな光を追い求めて。
誰かの思いを、誰かの願いを…そして自分の思いすらも犠牲にして来た自分。
それと同じ事を、紅莉栖にも、もう他の誰にもやって欲しくなかった…。
もしも再度過去を改変する事でまた誰かが死ぬ世界線になってしまったら。
自分が追い求めて来た、紅莉栖もまゆりも生きて未来へと進める世界線。
それが失われてしまうかもしれない…だったら自分が消えてもそれは仕方がない。
自己犠牲の極致とでも言えばいいのか、岡部だからこその感情ですよね、これ。

でも、それって結局岡部のエゴなんですよね。
自分を犠牲にして紅莉栖が助かるのなら、まゆりが助かるのなら。
判る、判るんだけどそれって紅莉栖本人やまゆりからしたらたまったもんじゃない。
勿論他のラボメンだって、紅莉栖と同じだけの何かがあればそう思ったに違いない。
だからこそ、岡部が世界線から消失したあと、記憶の隅に何かが残ってて…。
それが少しずつ違和感になって、日常を揺らし続けてたんだろうと思うけど。
他のメンバーからしたらそれこそ、岡部が居たから巡り合ったわけで。
その当の岡部が居ない世界線、岡部だけが犠牲になる世界線。
それを果たして容認できるのか…当たり前だけど答えはNOですよね。
だからそれを岡部に対して突きつけたのが、今回は紅莉栖だったんですよ。

その結果、紅莉栖は過去にタイムリープをしたり。
鈴羽の助力、未来の自分の助言、それらを頼りに岡部をこの世界線に取り戻す。
岡部が自分のために、まゆりのために、ラボメンのためにやってきた事をやるわけです。
過去に干渉する怖さ、科学者ならば一瞬で想像がつくそのある意味ではタブーを。

と言うわけで、いやー本当にサスペンスしてましたね!
序盤は岡部がラボメンの意識から消えたり、復活したりするその不安定な感じ。
中盤は紅莉栖の行動…過去を更に変えてしまう事への恐怖と緊張感。
終盤は岡部の少年時代に干渉した結果から繋がる未来を見据える部分。
どの部分もしっかりサスペンスしてて、一瞬も見逃せない出来だったと思います。

それに、良かったのは岡部とまゆりの過去の部分が描かれてた事。
まゆりが岡部の人質になる、そこまでの岡部の心理がしっかり描かれてた事。
そして岡部がどうして中二病に目覚めて今に至ったのか、そのルーツですね。
そこに紅莉栖が関与してたとは…っていう部分の繋がりが非常に良かった。
まあ、落ち込んでる少年にいきなりキスしてしまうお姉さんってどうなのwww
みたいな部分はあったけど…あれはもう紅莉栖の感情もある意味では暴発してて。
紅莉栖が岡部に勇気を、岡部がまゆりに勇気を、そういう循環のきっかけだった。
そう解釈すれば確かに背中を押してやるよりもよっぽど判りやすいと思いますが。

でも、今回のエピソードを見ちゃうともうこれ岡部×紅莉栖以外ありえませんね!
勿論他のメンバー(まゆりやフェイリス)とくっついても違和感ってのはまったくないし、
本編の個別ルートって言うのはある意味ではそういう世界を描いたものだったわけだけど。
今回のこのエピソードを見てしまうと、こんな部分から紅莉栖との因果があったんだなぁ…。
と言う部分が非常に良く判るので、この世界線では紅莉栖以外ないなぁ…www と。
と言うかあの紅莉栖から岡部へ、岡部からまゆりへ、って所は非常に良かったです。
なんていうか本編から劇場版のこの部分への色んな想いってのが蘇ってきて、
一人で見てとしたらほろりとしてしまってたかも知れないですね。

と言うわけで、非常に面白かったです。
惜しむらくはこれである意味ほとんどの部分が終わってしまった事、ですかね。
岡部の中二になってしまったその理由、それらもしっかり描写されちゃいましたからね。
それに加えて岡部と紅莉栖の思いの確認…それらが完全に出てしまった部分はあるので。
ああ、これですべて終わったんだなぁ…という寂しさと言うのはありました。

声優さんの演技も非常に良くて…。
聞いてると端々に、そのキャラクターを愛してるのが伝わって来るような。
そんな雰囲気があって、ほんともうこの人たち以外の声はありえないな!
って思えるぐらい、岡部も紅莉栖もまゆりも他のキャラも代替はきかないよね。
みたいなレベルだったので、ほんともう何も不満ってのはないですね。
むしろ岡部を演じてくれて、紅莉栖を演じてくれて、まゆりを演じてくれて、
ラボメンを演じてくれて皆さんどうもありがとうございましたぁ! ってレベル。

後まゆりはやっぱり天使でした!
可愛すぎ…というかまあ、S;Gに限っていえばみんな好きだけど。
やっぱりまゆりの可愛さは突き抜けてるなぁ…こんな人質俺も欲しいわほんと。
と思ったけど、やはりそれには岡部みたいな行動力がないとダメなんだよな、きっと…。
いやそもそも、そんな行動力を発揮できる幼馴染がまずハードル高いわけだけど。

と言うわけで、ちょっと寂しいですがこれでS;Gのほとんどの部分は終わりという事で…。
一応余剰エピソードとしてなんかゲームも出てるんだっけ? オクテット?
それもそのうちやらないとなぁ、と思いつつ、劇場版S;Gの感想はこんな感じで。
とにかく、S;G面白いと感じてたなら見に行くべき、絶対に損はしない作品だったので。
かなりお勧め、しっかりと客が入るその理由もわかるってもんでした。

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