マクロス30 銀河を繋ぐ歌声。

マクロス30 銀河を繋ぐ歌声 著:小太刀右京

マクロス30 銀河を繋ぐ歌声(DENGEKI HOBBY BOOKS)

マクロスシリーズのノベルス…って事で買ったけど。
元はこれゲームなんだっけ…その辺あんまり良く判らないんですが。
同作者のマクロスFのノベライズは中々良かったので期待しつつ…。
ちなみに表紙はマクロスらしく、主人公とヒロインが二人の構図。
マクロスと言えば三角関係なんですかね。

と、言う訳で作品の元のゲーム? をやった事はないんですが。
wikiを見たらフライトシミュレーションRPG、と言う謎なジャンルでした…。
要するに元々、そっちのゲームの方である程度のシナリオはあるって事なのかな。
その大筋を元にして、文章化したのがこの作品…って事ですね。
上でも書きましたが、この作者のマクロスFのノベルは中々良かったので。
割と期待して読んだんですが…まあなんというかそれなり、でした。

いや、決して面白くなかったわけではないんですけどね。
ヴァルキリーが飛ぶ、戦う、そう言った描写はやっぱりしっかりしてたし。
主人公は新キャラとは言え、人物描写や心理描写もしっかりしてて。
そういう意味では凄く良く出来てたんじゃないかなーって感じでした。

ただ、全体的にどうしてもSS的な感じなんですよね。
公式…という触れ込みではあるんですが、やっぱりどこか同人的と言うか。
まあ、それ自体は正直作者のせいではない、ってのはその通りなんですが。
どうしてもオリジナルではない部分が占めるウェイトが非常に大きくて…。
出来のいい同人小説を読んでる感じがする部分はあるんですよねー。
アルトやランカやシェリル、バサラやミンメイや他のこれまでのマクロスのキャラ。
そういったキャラクターが一堂に会したが故の同人臭さ、と言うか…。
もともとのゲームがそうなんだから仕方ないんですけど。

なので基本ありえない組み合わせが度々登場する事になります。
要するにパラレルワールド設定…タイムスリップとかそういうベクトルの話なので、
過去のキャラクターが現在のキャラクターと出会って一緒に戦ったりする。
そういった部分の、こういった作品でないとありえない部分を素直に楽しめれば、
それなりに面白い作品として捉える事が出来るんじゃないかと思います。
逆に言うとありえないだろ! と思ってしまった瞬間面白さはなくなりますが。

ただ、俺みたいにマクロスシリーズを7から知らない人間だと関係把握が結構難しいですね。
正直7やF好きなんだったら、そういった過去のシリーズを見るべきだろ!
って言うのはその通りなんですけどね…しかしてアニメにしろ随分古いし。
超時空要塞だけはマンガのほうでちょいちょい読んでますけどね。
それ以外は中々…なので、全シリーズ見てる人の方が面白く読めるのかな。
と言う部分はあるんですが、読んだ限りメインはFとオリジナルって感じなので。
そんなに理解出来ないわけではありませんでしたが。
イサムとかガルド、工藤シンはキャラ掴むのに苦労しましたが。

後それぞれの作品の比重も大分違ってるので。
その辺が気になる人にはあんまりオススメ出来ない部分はありましたね。
上でも書きましたが、キャラクターとして多く出てくるのはアルトやランカとシェリルで。
勿論バサラや他のシリーズのメインキャラクターも展開的には重要なんですけど…。
何ていうか作者自身Fのノベルを書いてたからかFの比重が非常に大きいと言うか。
ピンポイント出演…ぐらいで済まされてるキャラクターもちらほら居たので。

ストーリーに関してはまあ、ありきたりな感じではありました。
壮大と言えば壮大なんですが…まあ、このキャラクターが一堂に会する為のシステム。
その為のストーリー、って言う感じなので…ご都合主義的な部分が大きいですね。
とにもかくにも色んな時間軸から色んなキャラクターを引っ張って来るためのギミック。
そのシステムを使って出来る事を考えた時、遺跡の力で世界を作り変えてしまおう…。
みたいな感じのシナリオになっちゃってたのはある意味仕方ないですね。
と言うよりそういう感じでないと締め括りが出来ないと言うのもあるんでしょうけど。

とまあそんなわけで、シナリオと言うよりはキャラを読む感じの作品ですかね。
あ、でも案外オリジナルキャラクター? のリオンやミーナは中々悪くなかったですよ。
特にリオンとアルトの絡み辺りは何だかんだ言ってそこそこ面白かったし。
後過去のキャラがアルトの父親(嵐蔵)と知り合いだったりとか…。
まあ、それが正史として大丈夫なのかどうかはさっぱり判りませんがw
今のアルトを嵐蔵と、芸者として比べて話したりしてるのは面白かったです。
いや、それがいいのかどうかは判りませんけどね…。

まー後はヴァルキリーの設定とかが多めでしたね。
どうしても色んなシリーズのヴァルキリーを登場させるからだと思いますが。
何がどう、ここがこう、みたいな薀蓄(やりとり)は結構あった気がしました。
ちなみに俺はVF-25が好きです…マクロスFから見始めたからですけど。
ヴァルキリーの設定とか、マクロスのメカ設定は全体的に好きなので、
個人的にはそう言う薀蓄が書かれてるのは気になりませんでしたけどね。

と言うわけで…全体的にごちゃごちゃしてるかな!
ってのが最後まで読んだ印象でしたが、その辺がSSっぽい所ですかね。
中途半端に作品絞るよりはこっちの方がはっちゃけてていいと思いますが。
そうは言ってもやっぱり、全シリーズの主役級を活躍させるには足りないと言うか。
主役級がガンガン投入されるだけに、読み足りない部分が出てくるんですよね、これ。
何せ一人一人が作品一つの歴史があるわけだから…。
そこだけが勿体無いな、とは思うものの仕方ないとも思うわけで。
とにもかくにもマクロスシリーズが好きだからこそ読める作品なんですが、
マクロスシリーズが好きだからこそ、なんだかなぁと思う部分もあるような。
そんな作品でした…まあ、あんまり深く考えずに読むのが良いんだと思いますよ。
スパロボ的な面白さが大丈夫な人なら楽しめるんじゃないかと思います、はい。
あ、書いてて気付いたけど、最初からスパロボって感想を書けば良かっただけですね!

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