WHITE ALBUM2 -closing chapter- 千晶。

一人目、和泉千晶ルートをクリア。
サブキャラだろ…と舐めてたけど、申し訳ない気持ちになってしまった。
何ていうんだろう、色んな意味で凄いなと思える内容だった。
一片たりともおざなりな所がない…とでも言えば良いんだろうか。
難しいけどそんな感じ。

ただ、1周目は強制ノーマルエンドでちょっとびっくりしたな…。
あ、あれ…なんかタイトルにバックしたんだけど…どうなってるのこれ…。
って感じで、セーブをロードして、2回ぐらい流してみてしまった。
まあ、確かに1周目始めた段階で選択出来ない選択肢とかあったし。
何となくそんな気はしてたけどね…とにかく、1周目は強制ノーマルエンド。
で、2周目がトゥルーエンド、って感じで構成されてました。

ちなみに他のルートも2周前提なのかはまだ判らんのですが…。
とりあえず、千晶ルートに関して言えば2周しただけはあったかなーと。
ま、途中、新規の話が少なくてちょっと読むのが面倒になった場面。
要するに同じことを繰り返してる部分っていうのが結構あったけどね。
でも逆に2周読むからこそ、1周目の裏側ってのが良く判ってよかったというか。
元々そういう事が目的で2周を前提に作られてるんだろうなーって感じだったね。
だからこそ、2周目の後半へ繋がってたって言う部分も大きかったと思う。

しかし読んでて色々な感情に襲われるシナリオだった。
そこが狙いでもあるんだろうけど、まんまとそういう風に読む事になってしまったな…。
勿論、雪菜との関係がどう変遷していくかと言う部分にもそれは当てはまる。
やっぱり、春希と雪菜の二人の関係は見てて色んな意味で痛々しいし、
別ヒロインのルートとなれば当然それはその上を行くわけだもんな。
当然だけど、それを最初から想定して違うヒロインのルートに進んだわけだけど。
そこはもう、当然の様に読んでて切なくなってくるのは当たり前だった。
でもそれ以上に、千晶って言うヒロインへ凄く複雑な感情を抱けると言うか。
その辺はほんと文章にして感想にするのが難しいと思うけど…。
なんていうか色々な感情が綯い交ぜになる、そんな感じだった。

とにかくまず最初は、雪菜と春希との関係への感情。
その次に千晶との、春希の逃げ生活(みたいなもの)の感情が来て、
そうかと思えば千晶がただただ役作りのためだけに春希を…みたいな部分。
それが来る事でなんだこいつは、って思いながら読むようになってたんだけど…。
でも最後は、千晶が、雪菜という役を通して春希に飲まれていって…。
そこでまた、千晶の本質と言うか、切なさが表現されるというか。
書いててぐちゃぐちゃになったけど、読む側として凄く複雑な感情を持てる。
恐らくWA1の雪綺と理奈との三角関係…今回の雪菜とかずさやccでの雪菜…。
そういうものを見てる、と言う感情以外の感情が結構大きかったと言うか。

そういう意味で凄く良く出来てたシナリオだったってのが終わった感想だったな。
中盤、まじこいつヒロインにすんの? 見ててイラつくんだけど?
って思ったりもしたけど、最後結局雪菜に嫉妬してたりとかね。
そういう人間くさい部分って言うのもあって、イラつくだけじゃないキャラ。
って言うのを魅せられた…そんな感じだったかなぁ。
要するに、全く素直じゃないキャラだって事が大事と言うか。
そう思うと途端に合点がいく…そんな感じなのは良かったと思う。

まあ、要するに良くも悪くも非常に不安定。
役の為なら何でも出来る、する、そういう部分ってのがまずあって。
だからこそ春希と雪菜の関係をかき回してるようにしか見えなくて。
しかもその上自分がやってるその事に対して何も悪びれてない。
そういう部分に凄くイラっと来る…ってのは間違いないんじゃないかなーと。
でもそこからの、結局春希を好きになってしまう…元から好きだったのかもしれない。
そういう彼女に対しては、ああやっぱなぁ…と、思う部分ってのもあるわけで。
その辺のアンバランスさ、って言うのが面白いシナリオだったんじゃないかな。

ただ、だからと言って雪菜関係がこれでよかったのか。
というのはあるんだけどね…ただ、まだここで語るべき事だったのか。
それは判らない、と言うかやはりこのシナリオで語るべき事ではないと思う。
重要なのは、このシナリオに置いては雪菜も春希も一歩先に進めてたという事。
と言うより、この別ヒロインが用意されたシナリオでそれを語ってもな!
ってのはあるので、その辺はまあ、やっぱり後回しにするしかないよね。

それでもやっぱり切ないシーンは多かったけどね。
特に雪菜が千晶と川べりで喋ってた所の、雪菜の感情とかは凄く切ない。
自分の代わりを完璧に演じてくれてた、だからありがとうと言える感情とか。
逆にそこでそう言われてしまった千晶の内面ってのも想像すると、ね。
そういう意味で、この部分とかは深い意味があって面白かったけど切なかった。

他にも千晶が最後の切り札を切れなかった所とか。
切ってしまえばそれで楽になれるかもしれないのに、それを切れない。
で、自分でも切れない事がどういう事なのかも理解してて…。
それでもそれに頼らなかった、その事の切なさとかは非常に良かった。
あそこで安易に切ってしまうようなシナリオだったら微妙だったと思うしね。
それに、そういうキャラクターじゃないのはそこまでで判ってるわけで。
だからこそ、切れないまま演じる時間を迎えた、と言う部分の意味と言うか。
そういう所に良さ、面白さ、ってのを感じたな。

というわけで、結構色んな感情を持ちながら読めるシナリオでした。
ぶっちゃけただただ、三角関係+1…みたいなシナリオだったらどうかなぁ。
って思ってたんだけど、そこに重きを置きつつも、このシナリオで表現したい事…。
というのがしっかりと描けてたし、伝わってきてたかなーって感じでしたね。
ま…雪菜との関係に関してはもう別ヒロインの時点で判りきってるよね。
って言うのはメタ的にはあったので…そこはもう割り切って考えるしかないし。

後面白かったのはWA1以外のLeaf作品がオマージュされてる所とか。
最初千晶の、高校の頃調べた鬼伝説がどうとか、凄く聞き流してたけどw
蓋を開けてみれば痕かよ! そういえば鬼伝説だったな! みたいなねw
いや、勿論シナリオ的にゃ痕だろうがなんだろうが良かったんだけどさ。
そういうのがあると、ここでこれをもってくるのなーって感じで良いじゃん?
そういう意味でやっぱり力(構成力)のあるライターだなぁ…。
という事を再度思い知らされるに至った、と言う話なんだけどね。

ちなみに何より大事なのは、こんな天才でも御せなかった雪菜という存在。
という所にあるんじゃないかなぁ…と、このシナリオを読んでて思わされる所。
結局千晶が綻んだのって、春希の言葉や行動ではなかったんだよなぁ。
勿論春希がその前提になってる、って言うのは当たり前の話なんだけど…。
ただただ春希と接してるだけだったら、ここまで綻ばなかっただろうな。
って言うのも判ると言うか…じゃあどうして綻んでいってしまったのか。
って考えると、やっぱ小木曾雪菜、と言う千晶が演じようとした女なんだよな。
まあ、だからこそかずさと雪菜と…千晶が合体したような雪音が生まれたと言うか。
かずさでもなく、雪菜でもない、でもその二人に対抗出来るかもしれない。
そういう存在に千晶がなっていく…ってのが顛末なんじゃないかな。

後、演出的には来るだろうなーと思ってましたが。
ステージ上で、たった一つだけ伝えたい真実を伝えた時の雪音。
両手を胸に当てながら演じられたセリフ、って部分は中々良かったです。
要するに千晶は何を伝えるにも、違うキャラを演じてじゃなければ出来ない。
そんな弱い部分を秘めた子供だった…って事なんじゃないかと思ってますが。
その辺はウァトスの座長が言ってた事が良く当てはまる気がするよね、実際。
強いのかもしれないけど、でも弱い、そういうアンバランスさが千晶と言うか。
ま、この作品のヒロインには全部当てはまるのかもしれないんだけどw
何となく、雪音と言うキャラクターだからこそ、両手を胸に当てる事が出来たんじゃ。
って思えるのは良かったんじゃないかなぁ…とかね。

というわけで千晶ルートは終了。
2周強制だからちょっと長いかなーと感じる所はあるけど。
1周目と2周目の千晶が取ってた行動や、裏側の繋がりや。
中盤を過ぎてからの面白さ、ってのは十分有り余るほどだったと思う。
雪菜関係に関しては若干あっさりとしてる(様に見える)かもしれないけど。
ま、それはある意味仕方ないし、これで良かったんじゃないかとも思う。
いや、良くなかったかもしれないけど…その辺は難しいよね、やっぱり。

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