氷菓。

米澤穂信原作。
京都アニメーション製作、全22話。

前々期からの2クールで、2クール目まで見終わったので。
同名の原作小説(推理小説)は未読のまま、アニメに入っちゃったけど。
ある意味これは、原作飛ばしでも良かったんだろうか、という気はする。
主にキャラクタービジュアル的な意味で…原作の絵柄はあわわわ、だし。
まあでもそれはあくまでも元がキャラ絵を前面に出した作品ではないだけで、
性格やその他キャラクターの設定に関しては原作基準なんだとは思うけど。
でもそれを知るためには結局の所原作読めよ…って話にはなるね。

で、まあ正直最初は面白いと思ってなかったです。
うーん、言い方は悪いんだけど何がどうミステリーなのかさっぱりで。
いやー判るっちゃ判るんだよ、日常の中のミステリーを、奉太郎が推理する。
要するにそれを描くのがこの作品の核になるんじゃないかとは思うんだけど、
一番最初のその議題と言うかテーマと言うか謎が、まず急すぎてどうでも良いと言うか。
視聴者にとって、その謎に惹かれる部分って言うのがあんまり無かったと思うんだよね…。
その謎が解決したからなんなのか…言い方は悪いけどそんなイメージ。

結局中盤からも大仰に謎解きをしてるけどそれがどうしたのか。
って感想が拭えなかったって言うのは全体を通してあったんじゃないかな。
だから個人的にだけど、このアニメで面白かったのってカンヤ祭の最中。
お料理対決で4人が頑張ってたって言う部分とか、その辺が一番印象深いんだよね。
勿論あのエピソードを描くためには、謎を解く事が出来るとかそういう展開があるとか。
それに加えてキャラクターの性格やその他を知ってないと面白くは無いと思うし。
その為の大仰な謎解き…って理解の仕方でも良いのかなとは思うんだけどね。
でも、言っちゃ悪いけど微妙な謎を解いてるのを聞いてるのはちょっとかったるかった。
どうせならもっとカンヤ祭みたいなああいうエピソードが多くても良かったかなぁ、と。

だから結構そういうエピソードが多い終盤は楽しんでみてました。
19話から22話(最終話)辺りはキャラの位置づけとかも大分深く理解して来てて、
えると奉太郎のやりとりとか、ちょっとした謎やそれを解いたりする行動。
それ自体に面白味を見出せてたから、十分楽しく見れてましたね。
逆に言えばそう考えるとやっぱり序盤はそれほどだったのかなぁ…とも。
勿論あの序盤があるからこそといわれると、その通りなんだろうけど。

まーでも、見てると何をやりたいのか。
って言うのがある程度判るだけになんとも言えない部分もあると思うんだよなー。
だって構成的には理解出来るもんなぁ…序盤も終盤もちょっとした謎を解き明かす。
そこは別段変わらないテーマではあったかな、ってのは判るしね…。
だから結局何が違ったのか、って言うとキャラへの理解度だったのかなぁ。
まだ何も判らない状況で奉太郎がくどくど解いててもダメだったのかもしれない。
って言うのはあくまでも俺の感想なので、他の人がどう感じたかは判りませんが。

で、映像に関してはまあ何ていうか何も言う事はないレベルでした。
そこはそれ、信者ってわけじゃないけどやっぱ京都アニメーションだもんな。
ほとんどのシーンに力が入ってて、見てて不満な点が全くなかった。
背景もさる事ながら、キャラクターも一貫して崩れた所はあんまりなかったし。
生き生きした表情や、色んな表情を表現するのも凄く丁寧だったと思う。
だから信者じゃなくても、やっぱ京アニの力はあるのかなーって気はするね。

特に最後の、遠回りの雛の桜のシーンとかは綺麗だったし良かったね。
まあ、最終話だし力を入れないわけがないといわれりゃその通りなんだけど。
何となく哀愁も漂ってたり、はらはらと散る桜の中のえるが可愛かったり。
奉太郎がヘタレだったり、えるの覚悟的なものも告白されたりとかで。
氷菓の中でも結構気に入ったシーンはそこだったかなーと思う。
個人的には他にもお料理の所とかも好きだけどね。

キャストに関しては…まあ、慣れてしまえばこれしかないって感じで。
正直奉太郎役の中村さんと里志役の阪口さんのこのコンビはねぇ…。
目を閉じて聞いてたら、もう完全にCLANNADの岡崎&春原だよね。
だから最初本当にそのコンビにしか聞こえなかった部分はあるけど。
逆に言えばそれだけ定着してるコンビ、と言えなくもないのかなーと。
える役の佐藤さんはなー、ぶっちゃけ申し訳ないけど律が妙に頭に浮かんできて。
最初えるのイメージとしてはうーんどうなんだろうな…とは思ってたんだけどね。
何ていうか無理してる感じがしてね…でも中盤ぐらいから問題なかったと思う。
むしろあの「わたし気になります!」は佐藤さんじゃないとダメかな、とも。
摩耶花役の茅野さんは最初から結構ハマり役だったので問題なかったし。
そういう意味ではなんやかやでこの4人のキャストはパーフェクトとも言える…。
他にも入須先輩役のゆかなさんなんかもクールな感じが出ててグッド。

OPEDは個人的には1クール目の優しさの理由が好きかな。
ちょうちょさんとこだまさおりさんのコンビが好きっていうのが大きいけどね。
2クール目でこだまさおりさん自分で歌ってたけど、それも良かったし。
EDもこだまさおりさん作詞で、歌が佐藤さんと茅野さん。
1クール目EDは色々賛否両論あるみたいだけど、俺は嫌いじゃないかな。
別にああいう雰囲気のEDでも、そんなに違和感はなかったからだけど…。
でも原作から入ってるとあのイメージは微妙なのかもしれないけどね。

と言う訳でまあ、正直謎がどうとかよりも。
奉太郎とえるのやりとりとか、えるのわたし気になります! とか。
まあ、単純にえるが可愛いのとかを楽しめば良いんじゃないかなと言う。
確かにまー若干えるがうざ…って雰囲気もあったりなかったりなんだけど。
何だかんだ言ってえるは全体的に可愛かったなーって言う印象だった。
摩耶花も可愛いんだけどね、ちょっとトゲっとしてる部分があるからね…。

なのでまあ、ミステリーとして見始めるのはどうかと思うけど、
何ていうのかなー学生ものと言うか学園ものとして見るなら全然アリかなと。
それを面白いと思えるかどうかは正直、見る側の感性に拠る気はするけど。
俺はそんなに悪くなかったと思うし、結構楽しんでみてたって事で。
ただ万人に勧められるかってのは…うーん、どうなんだろうね、って感じ。
でも全体的なクオリティは言うまでも高く仕上がってると思うし。
さすが京アニってのは思える作品だったのはその通りだったかなと。
ま、元々日常の謎で青春ミステリってジャンルなわけだしね…。
謎解き自体を否定しても始まらない部分はあるんだろうけど。
謎! 謎! 謎! みたいになってたから違和感があったのやもしれない。
でもそれがこの作品のアイデンティティでもあるし…難しいね!

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