夜のちょうちょと同居計画! 1。

夜のちょうちょと同居計画! 1 著:菱田愛日

夜のちょうちょと同居計画! (電撃文庫)

表紙買いした夜のちょうちょと同居計画、の1巻。
タイトルである程度予想は付いたけど、読んで見た感じタイトル通りだったかな。
割と好みのイラスト(さんた茉莉さん)なのが一番良かったかなと。

という訳で、前情報全くなしの完全にタイトル(かイラスト)買いでした。
そもそも、タイトルの時点でなんとなく予想は付いてた部分はあるんですが…。
基本的には設定重視? と言うか設定ありきの作品って雰囲気だったかな、と。
こういう設定だからこそ、こういう事が描けるんだな…と言えば良いのか。
そういう意味で設定ありきな作品だったんじゃないかと思います。

とりあえず、15歳の女の子がキャバ嬢として頑張って行く話です。
学生が職業を持つ自立都市の中で、自信家で容姿が良いお嬢様が割り振られた職業。
それがキャバ嬢で…キャバ嬢なんて! って所から始まって、キャバ嬢を完璧にやってやる!
みたいな感じで、キャバ嬢という職業に対する価値観が徐々にお嬢様の中で変わっていく。
それとともに、同じキャバクラのボーイになる事になった主人公も一緒に頑張って行く…。
キャバ嬢とボーイと言う、本来なら学生(15歳)ではありえない職業に就かされてしまったけど。
色々な出来事と通じて、それらの職業も、やはり職業に違いは無い…という事を知る。
そんなストーリーと説明すれば良いのかな、そんな感じでした。

まあ、俺がそもそもキャバクラへ行った事がないので何とも言えませんが。
確かに、外から見るとキャバクラってのは店員も酒を飲んで笑ってれば良くて。
ある意味では楽(に見える様)な仕事…って言うイメージはありますよね。
しかも高級で…もちろんあくまでもこれは一般的なイメージの話ですけど。
実際仕事でやるならもちろんだけど、しんどいだろう事は想像に難くなく。
でも自分が経験をして見なければ、それほどでもないんだろうと思ってしまう。
そういう、ちょっと難しい職業をテーマにしてるのは結構面白かったです。

実際ちょっと考えただけでも、例えば酒が好きでもないのに飲み続けないといけなかったり。
いくらお酒が好きだといっても、客の前で酒に飲まれて乱れてしまってもいけない。
最後まで客の事を気遣って、なおかつ気持ちよく帰って貰うという事。
それがどれだけ難しい事なのかって言うのは確かにその通りですからね。
当然ですが、15歳の女の子がそんな事を完璧にこなせるはずはない訳で。
初日から壁にぶつかって、それでもやるしかなくて…判りやすい展開でしたが、
逆に判りやすいからこそ、この題材である必要性も良く判って良かったのかなぁ、と。

ま、それと同時進行で主人公が強く(?)なっていくのも良かったですよ。
昨今受身ガチな主人公が多いなーと思いますが、割と自分で行動してた雰囲気で。
もちろん、主人公も同じ15歳だから、当然ですが解決の方法とかも判ってなくて。
行き当たりばったりや、その職の先輩に道を示してもらって解決していく。
そういう部分がきちんと描かれてたからこそだと思いますけどね。
きちんと自分で考えたからこそ、その先で先輩が道を示してくれる。
そういう部分が主人公として、子供らしくもあり、主人公らしくもあり。
キャバ嬢を割り振られた瑠花と一緒に成長してるんだなぁ…。
と、思いながら読める感じでした。

でもこれ、瑠花以外の奈斗(主人公、ないとって読むらしい)に割り振られた女の子。
一人はふわふわ可愛い(でも腹黒)真琴も、クールな彩香も、キャバ嬢こなしてるんだよね…。
まあ、もちろん三人割り振られて三人ともがいきなり壁にぶつかってたら…。
当然主人公の負担(いろんな意味で)も増えるし、尺が長くなるんでしょうが。
瑠花があれこれぶつかってるのに二人は大丈夫なんかい! って感じでしたね。
真琴はある意味では適正で、彩香の方はそつなく他の仕事でもこなしそう。
って感じだったんで、そこまで違和感があったわけではないんですけど。

とりあえず1巻では瑠花が少しずつキャバ嬢として成長していく。
壁はあったけど、それを奈斗とともに超えて、職業の辛さも良さも知る。
そういう部分が描かれてたので、この段階ではまだハーレムっぽい要素。
って言うのは同居(一緒に暮らすだけ)って言う感じの作品に留まってましたね。
なんか雰囲気的に真琴や彩香も交えてハーレムっぽい雰囲気になるのかなー。
と思ってましたが、ある意味ではこの奈斗も瑠花の事で一杯って感じで。
軽々しく簡単にハーレムっぽい展開にならなかったのは評価してもいいかな、と。
2巻以降どうなるのか、って言うのはまだ判りませんけど。

後キャラクターに関しては上でちょっと書きましたが、割とテンプレっぽい感じで。
一人はお嬢様で自信家でわがまま、一人は腹黒だけど良いライバルになりそうな感じ、
もう一人はどちらかといえば中立な立場で、なおかつ大人っぽい考え方…と。
それだけ書き出すと、あーなるほどテンプレっぽいキャラクターやね、って感じで。
でも逆に言えばそういう三者三様のキャラクターでないと魅力も薄まっちゃうし。
この三者三様がお互いの良さを引き出すためには必要だとも思うので。
この作品だと、こういうテンプレキャラでも全然気にならない感じでした。

という訳でまあ、1巻思ってたより(言い方悪いですが)良かったのと。
まあ、やっぱりテンプレながら瑠花が中々可愛い(デレたらね!)ので。
その内2巻を読まないとね! って感じでしたが…まあキャバ嬢云々はともかく。
中々テーマ(と言うか題材?)は良かったんじゃないかと思いましたしね。
逆に15歳なのにあまりキャバ嬢を完璧にこなしてる描写ばっかりとかよりは、
こうやって失敗したり、壁にぶつかったりしてないと不自然ですしね。
そういう意味では真琴と言う完璧(に見えるキャラ)と瑠花(出来ないキャラ)の対比。
ってのをしっかり描きつつ、それでもお互いがお互いを…ってなって行くといいですね。

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